昨日、東京都議会選挙の投開票が行われた。新型コロナウイルスへの対応、オリンピックの開催判断について都や国に対する都民の意見が反映された。今回の都議会選挙は秋に予定されている衆議院選挙の結果を占う重要な指標になるといわれる。明確な勝者のいない今回の結果を受けて、各党の今後の選挙戦略も変わってくるだろう。
2013年の都議会選挙から今回の選挙に至るまで、3回の選挙結果を以下にまとめる。
これを見てまず目につくことは、都民ファーストの会の議席が大きく減り、その減った分のほとんどを自民党と立憲民主党で同数に分けたことだ。前回2017年の選挙では小池旋風が巻き起こり、自民党と民進党(当時)に大敗させる形で都民ファーストの会が55議席を獲得していたが、今回の選挙で幾分か取り返した形になる。
ただ、その取り返し方に差が見られる。自民も立民も10議席を獲得した点に変わりはないが、前回の選挙で都民ファに奪われた議席数を考えると、今回の自民の結果はやや見劣りする。自民は前回は都民ファと選挙協力を結んだ公明党を取り込んだにも関わらず、両党合わせても過半数の議席を獲得することは叶わなかった。
立民も自民よりは見栄えする議席の伸ばし方をしたとはいえ、もっと良い結果を残したかったものだ。新型コロナウイルスへの対策、そして東京五輪・パラリンピックの開催に関して、都議会第1党の都民ファと国政与党の自民に対して不満を持つ人々の受け皿になりつつ、党としての公約や信条をブレずに示していればより多くの票を獲得できたように思う。共産党との共闘姿勢を押し出しすぎて労働組合に不信感を示されるなど、選挙戦略に安定を欠いたことが都民ファと自民に対抗する野党のイメージを損ねた。
今回の都議会選挙は都民ファが第1党から陥落し、自民は公明と組んでも過半数を獲得できず、野党は思ったように議席を伸ばすことができなかった。今秋に予定される衆議院選挙に向けて、各党は今一度選挙戦略を練り直さねばならない。
衆議院選挙において重要になってくるのが、今回都民ファに投票した層をどうやって取り込むかである。今回の都議会選挙において、都民ファは観客を入れての五輪開催を目指していた与党に先駆けて「最低でも無観客開催」を掲げた。一方立民の公約は「延期もしくは中止」。都民ファは与党、野党の中間的な意見を述べていた。そのため、オリンピックをいかに安全に盛り上げることができるかが与党にとって今後を占う要素になりそうだ。オリンピックが成功すれば「開催してよかった」となる一方で、失敗すれば「やはり開催するべきではなかった」となる。
他にも新型コロナウイルスに対するワクチン接種の拡大や政治とカネの問題も残っている。社会を動揺させる問題がいくつも発生している今、それらすべての対応が衆議院選挙に影響するだろう。
