NHKの報道によると、7月3日に静岡県熱海市で発生した土石流の被害地域は自治体が作成したハザードマップ上の「土石流危険渓流」のエリアとほぼ一致していたという。ハザードマップをはじめとする自治体の災害対策資料に事前に目を通し、平時から災害に備えておくことの大切さを改めて知った。
ハザードマップと実際の水害・災害地域が一致したのは今回に限った話ではない。2020年の熊本豪雨、2018年の西日本豪雨でも河川の氾濫等による浸水地域は自治体作成のハザードマップとほぼ一致していた。ハザードマップは災害から身を守る極めて重要なツールと言っていいだろう。災害が発生してから自分の住む地域は安全か、またどこに避難すればいいかを慌てて確認することのないよう、自分の避難計画を予め想定しておくことが必要だ。
また、記憶に新しい豪雨災害を以下に挙げる。
・2020年7月3日 熊本豪雨
・2019年10月25日 千葉豪雨
・2018年6月28日 西日本豪雨
・2017年7月5日 九州北部豪雨
今回の静岡県・神奈川県での豪雨を含め、6月末から7月初頭のいわゆる「梅雨末期」のころに豪雨災害が多く発生している。また、豪雨災害自体は毎年発生していることも分かる。
個人的な感覚だが、梅雨末期には降雨に対する警戒が薄れているように感じる。毎年梅雨に入って最初の大雨は驚きと警戒をもって受け止めるが、梅雨にも慣れてきた6月末には雨の予報を聞いても「また雨か」くらいにしか思わない。そうなった頃に豪雨災害のニュースを見ると自分の油断に気付いて背筋が凍る。
また災害対策基本法が改正され、今年の5月20日から自治体が発信する避難情報が明確化された。従来、警戒レベル3「避難準備・高齢者等避難開始」と警戒レベル4「避難指示・避難勧告」としていたところを、それぞれ「高齢者等避難」と「避難指示」に改めた。「勧告」や「準備」といった表現を避け、明確に避難を求めるようになった。
さらに、最近では線状降水帯のような豪雨をもたらす気象現象の解説に力を入れた発信も目立つ。毎年発生する豪雨災害に対し、人的被害を少しでも減らそうという意志を感じる。河岸の補強といった直接的な水害対策も重要であるが、結局のところ被災者それぞれの意識や行動が人的被害の減少につながる。避難に対する意識の変革と危険な気象に関する知識の普及は非常に重要である。
豪雨による水害はもはや珍しいものではない。これまでの災害、そして今回の静岡県や神奈川県の豪雨災害の経験を糧に、個々人の防災意識を今一度高める必要があろう。
〈参考〉
NHKによる熱海市の土石流発生範囲の分析
