国民的詩人の谷川俊太郎さんが亡くなられた。
自分的にはマザーグースは谷川俊太郎訳で脳内再生されるくらい体に染み込んでいる。
誰かが芸術家とは、いくつになっても子ども心を忘れない人だと言ったが、まさしく谷川俊太郎さんの詩は純粋で天衣無縫で自由だった。
心からお悔み申し上げます。
不思議なことに最近、谷川俊太郎さんのお名前をしきりに思い起こしていた。というのも全く私的なことである。
奇妙なことだけれど、最近私が外出するとあちこちで見知らぬお子さんに二度見三度見されることが続いていた。
私は特徴のあるスクーターに乗っているが、信号待ちしている間に、ふと気づくと通行中の見知らぬお子さんにすごく見つめられていたりする。
えっ?何か変なことでもあるのかな?
こう言っては何だが、私はどうということはない極々普通の人である。
子どもには健やかに育って欲しいし、親はこんな大変な時代に子育てして立派だし、心から頑張れと思っている。
犯罪歴もないし、刑法に触れることをしたこともない。お店に入って支払いをせずに出た事などただの一度もないし、警備員に呼び止められたこともない。頭の中は疑問符??だらけである。
ただこのところ、銀行のATMでキャッシュカードが通らず、銀行員さんに操作してもらったら通ったことが二度ほど続いていた。
また行きつけのホームセンターで商品を見ていると館内放送でスタッフの呼び出しがあり、〇〇でお客さまがお待ちですとアナウンスがあったが、その〇〇にいるのは私しかいないのでびっくりしたり。
さらにはレジに行くと、初対面の店員さんに突然寒気がするわと言われて、二度びっくりしたり。
これってもしかして顔認証登録?
私の顔認証情報に何か事実と異なる情報が紐づけられてません?
NHKのクローズアップ現代では、腹いせ登録や巻き込まれ登録といった問題があると報道されていた。
顔認証システムにアクセスできる権限がある人に悪意があると可能になってしまうというような内容だった。
しかし顔認証登録された側はそれを確かめる術がない。
ともあれ私は悩みに悩んで、何か過去に誤解を受けるようなことがあったのか記憶の底を辿ってみた。
そこでふと思い出したのが、何十年も前に人形を作っていたことがあり、その時に参考資料として少女アリスという写真集を持っていたことだ。
写真家 沢渡朔のデビュー作で、イギリス人の少女モデルを起用して不思議の国のアリスの物語に沿って叙情的な写真に、谷川俊太郎と瀧口修造が詩をつけ、堀内誠一が装丁を手がけた写真集である。
1973年に文芸出版大手の河出書房新社から出版されたアート写真集である。
私が入手したのは1980年頃で表現規制は緩い時代だった。
写真集 少女アリスは衣装もビジュアルも少女漫画から抜け出たようで、少女漫画好きの間で話題になっていたと記憶している。
その写真集は着衣がほとんどだが、中にいくつかヌードが写っていた。
その後私は人形つくりも辞め、引っ越しすることになり、2000年頃古本屋に本を売りに行った際のこと。
古本屋の主人が写真集 少女アリスを見るなり、『これは!』と言って吸い寄せられるようにヌードを凝視したのだ。
私は汚らわしい目で見るな!と内心嫌悪を感じていたが、その時住所氏名を書いたのをようやく思い出した。
その出来事が25年前のことだ。
それ以外に思いあたることがない。
どうやらその頃には少女アリスは表現規制の対象になっていたらしい。
私自身が、写真集 少女アリスを猥褻とか児童ポルノと見る視点が皆無なので、すっかり忘れていたし驚きしかない。
少女アリスはその後何度も再版されたようで、禁じられるような内容ではないと今でも個人的には思っている。
実際には自分の顔認証に何が紐付けられているかは分からない。
何か不気味で不快で毒々しいモンスターのような人物像が自分自身のIDに紐付けられてるかもしれない。
それが自分自身とあまりにかけ離れているなら、結構なホラーですね。まあ余り気にしないようにしてますが。
谷川俊太郎さん、こんな文章にお名前を出してごめんなさい。
谷川俊太郎さんの詩は澄んでいて軽やかで、言葉で自由な世界を私たちに見せて下さった。人の心を善きもので満たして下さった。
心から感謝します。