こんにちは。
今日は、とてもいいお天気でした。
さらっと乾いて、日差しは強いけれど風はひんやりして、とても過ごしやすかったです。
野の花たちも、ご機嫌よく色々な形や彩りの花を咲かせています。
お馴染みの花たちもあれば、初めましての植物もあって、それぞれの出会いがとても嬉しい季節です。
先ずは、お馴染みの「片喰(カタバミ)」たちをご紹介します。
最初はピンクの「芋片喰(イモカタバミ)」です。
集団で咲いている「芋片喰」の中でも特にピンクの色が濃い美しい花たちを、背の高い器にたっぷり生けて、くるくる伸びる「胡瓜草(キュウリグサ)」で動きをつけました。
こちらは、咲き切らない蕾をたっぷり付けた「芋片喰」を、ずんぐりしたゴブレットにたっぷり入れて大き目の葉っぱを添えました。
1本の茎にたくさんの蕾がついていて、その茎の感じも面白いです。
実はこれまでずっとこの花を「花片喰(ハナカタバミ)」とご紹介してきましたが、改めて調べたら「芋片喰」という、ちょっとダサめの名前がついた植物でした。今まで間違っていて申し訳ありません。
こんなにきれいな花が咲くのに種はつけず、根っこを伸ばして塊茎という芋を作って増えるので「芋」の名前がついたそうです。
毎回思いますけど、もうちょっと風情のある名前を付けてほしかったなあ。
「芋片喰」には白い花を咲かせるのもあって、ピンクと合わせると、とても清楚な雰囲気になりますね。
次も片喰ですが、こちらは「おっ立ち片喰(オッタチカタバミ)」と言います。
名前の由来は、背が高く縦に伸びる片喰だから。
こちらの名前も、ねえ…、もうちょっと、なんとかならないもんでしょうか。
とはいえ、鮮やかな黄色の花に柔らかな黄緑がかった葉っぱがとてもよく会います。
高さがあるので、これもゴブレットに伸び伸びと生けました。
同じ黄色の「鬼田平子(オニタビラコ)」もかわいい花をたくさんつけています。
すぐに水が下がりやすい「鬼田平子」なんですが、この子はしっかり水を吸い上げて、長く元気にしていました。
道端でちらちらと黄色い花が揺れている所を見かけると、健気という言葉が浮かんできます。
華やかではないけれど、しみじみと春を感じる野の花です。
それから、これもちょっと地味目な「蔦葉海蘭(ツタバウンラン)」です。
一昨年ご紹介したのですが、咲いていた空地は除草剤でやられてしまって去年は見つけられず、もう会えないのかなと思っていました。
自転車で通り過ぎようとしていた歩道の植込みに風に揺れている姿を見つけ、思わずブレーキをかけました。
思った通り、お久しぶりの「蔦葉海蘭」がスーッと伸びた茎に紫の花をつけて風に揺れていました。
歩道の植込みが気に入ったのか、とても元気に咲いている姿に本当にほっとしました。
小さな小さな花は、本当は蘭の仲間ではないのですけれど、よく見ると確かに蘭のような形をしていてとても可愛いのです。
思い思いに伸びる茎の動きと高さを生かしながら、生けました。
最後は、今年初めて出会った華やかなお花です。
最初にちらっと見かけた時は、ピンクの「片喰」かなと思いましたが、何か違う感じです。
ピンクの花びらの真ん中が黒い輪になっていて、とても印象的なお花です。
ぱっちりとした花たちがよく見えるように生けてみました。
花はほろほろと散っていきますが、蕾が次々に咲いて、こちらも長く楽しませてくれました。
葉っぱと実の形は以前ご紹介した「アメリカフウロ」によく似ています。
持ち帰って調べてみた所、確かに「フウロ草」の仲間の「ゲラニウム」であることは間違いないようです。
「フウロ草」の仲間はたくさんあるようなのですが、探してもこのピンクに黒の花が見つかりません。
やっと見つけたのは、インドの植物学者の方の論文に添付された写真でした…。
空地にたくさん咲いていたのに、そんなに珍しい花だったのでしょうか?
インド料理やインド映画好きの私には、特に嬉しい出会いでした。
1つ残った花を、小さな器に生けました。
花の形は全然違うのですが、添えている実の形は「アメリカフウロ」にそっくりです。
お馴染みの花たちも愛おしいけれど、初めての野の花と出会うと本当にワクワクします。
またこんな出会いがあればいいなと思いながら、日々道端をのぞきながら歩いています。
春の野の花は、まだまだ尽きません。
これからも、たくさんご紹介したいと思っています。
本日もご覧いただいてありがとうございます。
では、また。
芋片喰(イモカタバミ)・節根片喰(フシネカタバミ):カタバミ科カタバミ属
胡瓜草(キュウリグサ):ムラサキ科キュウリグサ属
おっ立ち片喰(オッタチカタバミ):カタバミ科カタバミ属
鬼田平子 オニタビラコ:キク科オニタビラコ属
蔦葉海蘭(ツタバウンラン):オオバコ科ツタバウンラン属
ゲラニウム(Geranium mascatense Boiss):フウロソウ科フウロソウ属
※間違いがありましたらご指摘ください。