こんにちは。

 

暑いようなお天気が続いていますね。

桜の季節も終わって、新緑がもこもこと伸び始めています。

 

先日は紫の花をたくさん紹介しましたが、もちろん春は色とりどりの野の花がいっぱいです。

今日は、きれいな色のお花をたくさん紹介したいと思います。

 

まずは、今年もたくさん見かける「実雛罌粟(ナガミヒナゲシ)」です。

オレンジの花色がとても印象的。

ただ、咲いている花に触れると花びらがほろほろと散ってしまって、生けることができません。

そこで今にも咲きそうな蕾を摘んで、咲いた時をイメージして花瓶に生けます。

すると翌朝には蕾を包んでいる殻が外れて、オレンジの花が開き、色々な表情を見せてくれます。

最初に生けた時はこんな感じです。

 

去年は、空地に「長実雛罌粟」ばかりが集団で咲いているのをよく見かけました。

反対に、一昨年までたくさん咲いていた「紫花菜」等の他の花は、ほとんど咲いていない状態でした。

実はこの「長実雛罌粟」、根っこから他の植物が生えられないような物質を出して、自分たちだけが繁殖するような、カワイイけれど我が儘な植物なのだそうです。

ただこのような性質の植物は、次の年には自分で自家中毒を起こしてあまり増えなくなることもあるとか。

確かに今年の「長実雛罌粟」は、去年よりは控えめで他の植物に混じって咲いています。

ちょっと反省してるのかなって面白く思っています。

 

次は、見つけた時に、あまりにきれいな色にドキッとしたお花です。

名前は知っているけれど、ちゃんと見た記憶がなかった「勿忘草(ワスレナグサ)」です。

一つ一つは小さな花ですが、なんとも言えないブルーの色が人目を惹きます。

野の花というより栽培種が逃げ出したようですが、閉店したお店の脇にひっそりと咲いていて、「ねえねえ、こっちを見て見て!」と声が聞こえた気がしました。

白い「勿忘草」の花言葉は「私を忘れないで」だそうですが、本当にそんな気持ちが伝わるような出会いでした。

 

このブルーに似合うお花はないかなと思っていたら…。

ちょうど、スーパーで買った野菜の「雪菜(ユキナ)」から花芽だけ摘んで水につけていたら、思いがけないほどきれいな花を咲かせていました。

菜の花の仲間の野菜なので、似た形の花で、色がとても鮮やかです

一緒に生けてみると「勿忘草」とよく合います。

 

根っこごと連れ帰った「勿忘草」は、とても長持ちしてくれました。

日にちが経つと、茎を伸ばしながら本当に先の先まで花が咲いてくれます。

茎の動きが面白いので、今度は少し高さのある器に生け、濃いピンクの花色が美しい「芋片喰(イモカタバミ)」と合わせました。

どんなお花を合わせようか、器はどれにしようかと考える時間も楽しい野の花あそびです。

 

次の花は、花色は同じブルーですが、もっと小さな「胡瓜草(キュウリグサ)」の花です。

花はかわいくて色はきれいだし茎の動きは面白いし、大好きな花なのですが、どうもフォトジェニックではないようで…。

何度もトライしているのですが、なかなか可愛く撮ってあげられない花の一つです。

小さな公園で偶然見かけた「春紫苑(ハルジオン)」の蕾と一緒に生けてみました。

よく見かける「春紫苑(ハルジオン)」は白っぽい花ですが、この蕾はローズピンクが濃い目のきれいな色合いです。

もしかしたら「胡瓜草」とお互いに引き立て合えるかもと期待して生けてみたら、

なんだかとてもいい感じです。

幼い王子様とお姫様の出会いみたい…と言ったら言い過ぎでしょうか。

 

この「春紫苑」の花が開くとこんな感じです。

蕾の時ほどではありませんが、ピンクがかった花色がかわいらしいですね。

 

色鮮やかな花を生けていると、やはり心が浮き立ちます。

春の野の花は美しくかわいらしいだけでなく、冬を乗り越えてきた生命力を感じます。

それが、生けている私にも力を与えてくれます。

まだまだ春の花はたくさんあります!

季節が変わる前に、ぜひまたご紹介したいと思います。

 

今日もご覧いただいてありがとうございます。

では、また。

 

 

実雛罌粟(ナガミヒナゲシ):ケシ科ケシ属

勿忘草(ワスレナグサ):ムラサキ科 ワスレナグサ属

芋片喰(イモカタバミ)・節根片喰(フシネカタバミ):カタバミ科カタバミ属

胡瓜草(キュウリグサ):ムラサキ科キュウリグサ属

春紫苑(ハルジオン):キク科ムカシヨモギ属

雪菜(ユキナ):アブラナ科アブラナ属

※間違いがありましたらご指摘ください。