娘と探し物をしていたら古いレコードが見つかった。
夫のものだ。「世界のトランペット」「ハワイアン」「石原裕次郎全集」・・・
そういえば蔵の中にもスクリーンミュージック全集など夫が大事に仕舞っているものがかなりある。
娘が笑う。
「お父さんが、レコードを本当に聴いていたの?とても想像できない」
私も笑う。
今はムードも何も全くない夫。
あの夫がムードのある音楽を好んでいたなんて!
本当にとてもとても信じられない。
どんな顔をして聴いていたのだろう?
レコードを見ながら娘と大笑い。
「お父さん、レコードにかなりお金を使ってるよ。この石原裕次郎全集12000円って書いてる。」と娘が言う。
見れば昭和43年発売のもの。
昭和46年の私の初任給は確か17000幾らではなかったか?
いかにレコード(音楽)に夫がお金を使っていたかが分かる。
しかし今の夫からはレコードの「レ」の字も音楽の「お」の字も、どこを探しても見当たらない。
ムードの「ム」の字も全くない。

あー、青春時代の夫の残像・・・遺物・・・
青春のまやかしは恐ろしい。
今になれば笑いの種。