蓮の日課になっていること。

  それは休憩時間にキョーコの現場に顔を

  出すこと。

  しつこいくらい交際していることを口に

  していたが、あいつにはまったく効いて

  いないからだ!



  「敦賀くん、また来たの?」

  主演の古賀に呆れられる。

  「時間が空いたので。ちょっとキョーコの

  顔を見ようと思ってね。」

   蓮はキョーコに微笑む。

   最初は喜んでいたキョーコも最近は

  多少、迷惑そうな顔をする。

  「敦賀さん、あの…お忙しいでしょ?

  わざわざきていただかなくても…。」

  「そうだよ、敦賀くん。気が散って集中

  できないからさ。遠慮してくれないかな。」

   古賀が便乗して畳み掛ける。

  「ごめんね?キョーコに会いたくて。

  わがままな俺を嫌いにならないで。」

   蓮はキョーコを見つめながら捨てられた

  子犬のようにしゅんとした。

  「ずるいですよ////それに弱いの知ってて。

  見てください!敦賀さんのギャップに萌えた

  皆さんが倒れてしまったじゃないですか!」

   キョーコに叱られる蓮。

   周りの女優やスタッフがバタバタと倒れて

  いた。

   そんな毎日の光景にうんざりする古賀

  だった。

                      End