「京子ちゃん、俺は納得がいかないな。」

  キョーコの話を聞き終わった古賀は話し

 始めた。

  「琴南さんが君の親友なのは判ってる。

  しかし、なぜ君が英語を教えなきゃならない

  いんだ?

  5日も仕事を休む?あり得ないよ!」

   古賀の言葉にキョーコは深々と頭を下げた。

  「大事なオーディションを控えてるんです。

  一生のお願いです。どうかお許しください!」

  「土下座は止めてくれ!呉前さんにも頼まれた

  けど、なぜ、英語も話せない彼女を送り出すん

  だ?京子ちゃんがオーディションを受けたら

  いいじゃないか。」

  「えと…私も判らないですが、身長とか

  ビジュアルとかでは…。」

  「身長の高い子なんていくらでもいるよね。

  イメージを作り込むのが役者の使命だよ。

  他の人に替わることを勧めるよ。この話は

  終わり。俺は君の希望を却下するよ。」

  「待ってください!あの、前から古賀さんが

  嫌がっていた週一の仕事を映画の撮影中は

  休みます!!」

  「えっ、ホント?なんだか知らないけど、

  たいして重要でもなさそうなやつ休んで

  くれるの?」

  「はいっ!!」



   
  「話は判ったけど、とんだとばっちりだよ

  ね。」

   光はものすごく落胆した。

                 End