キョーコが奏江達との打ち合わせを
 
 済ませ会議室を出るとそこに蓮がいた。

  「敦賀さん…」

  キョーコは青ざめた。先ほど挨拶も

 せずに走り去ってきたからだ。

 「あの、さっきは…「最上さん、5分ほど

 俺に付き合ってくれる?」

  蓮はキョーコの腕を掴み、足早に歩き

 始めた。


  向かった先は打ち合わせ室。

 「立ち話で済ませられる話じゃないので。

  座ってくれる?」

  蓮に促され、キョーコは腰をおろした。

  蓮も座る。

  「急にごめんね。どうしてもすぐに

  誤解を解きたかったから。」

  「誤解?」

  「香凪さんのこと。俺は彼女とは付き

  合ってない。お世話になっている

  先輩だけど。」

  「でも、キスしてましたよね?」

  「うん。俺も驚いた。香凪さんがなぜ

 そんなことをしたのか俺には解らない。」

 「でも、拒否してませんよね?避けても

 いませんよね?」

  思わず、キョーコは言ってしまった。

 「う…ん。そうだね。なにもしていない

 ね。

  上の空だったんだ。俺の頭の中には

 不破とキスしている最上さんのことしか

 なくて。」

  思いがけない蓮の言葉にキョーコは

 驚く。 

 「あれは…母のことで…ショックで何も

 考えられなくて。」
   
 「解ってる。そのつもりだった。

 しかし、あの日、変装した不破と楽しげに

 話す最上さんを見ていたら怒りが込み

 上げてきて…ひどい言葉を浴びせた。

 ごめん、不破を擁護する最上さんに

 ショックを受けた。」

  蓮の言葉にキョーコは目を大きく

 見開いた。

 「幼馴染みなので、あいつの性格は

 知ってるので見直したとか焼け木杭に

 火がつくなんてありえないんです。

 もともと付き合ってないし、

 ホントにただの幼馴染みなんです!」

 「しかし、俺の電話に返事なかった

 よね?」

 「あれは、だるまやの閉店のあとに

 気がついて遅い時間だったので、翌日

 電話しようと思いましたが、翌日は

 敦賀さんのあの…スキャ…ニュースで」

  必死に話していたキョーコは固い

 表情だった蓮が神々スマイルを浮かべて

 いるのに驚く。

 「そうか、そうなのか。よかった。」

  蓮の微笑みにキョーコは浄化しそうに

 なる。

  「敦賀さん////」

 「おっと、時間だ。夜にまた電話する

 ね。」

  蓮の言葉にキョーコは慌てて立ち

 上がり、会釈して見送る。

 (…きゃーっ、まるで、敦賀さん嫉妬してた

 みたいに聞こえますよっ。まるで、私の

 こと好きみたいな感じに…有り得ないけ

 ど。なんだか嬉しい!!)

                  End

    ザ花にうまく繋げる展開を考えて

 みました。

  結構自信あり!



  初稿2019,7.1