「へえ、京子ちゃんにバレンタインのお返
しをねえ。で、反応は？」
貴島はいつもの場所で蓮と飲んでいたが
蓮が突然告白したのだ。
３月14日に届くように郵送したと。
「ない。(…というか俺の顔を見て青ざめて
いたな。仕方ないけど。)」
「当日に会ったのに？」
「海外ロケから帰ってきたばかりでほんの
気持ち程度だから。まあ、いいけどね。」
「あれ？敦賀くん。ドラマに海外ロケ
あった？これから放送予定？」
「ん？ああ。まあ…」
「そういえば、京子ちゃんもいなかった
な。折角、いいとこ見つけたのにさ。
ソフトクリームの店。」
「へえ、そう。」
「まさか、一緒とか？」
「………………。」
(…一緒だったんだ。何のロケ？)
「じゃあさ、その場でプレゼントすれば
よかったのに。」
「14日じゃないのに？」
「郵送より手渡しがいいよ。嬉しさが
違うじゃん。」
「そうなのか。だから何も言われない
のか。吟味したんだけど。」
「敦賀くん、日時にこだわるね。京子
ちゃんへのバースデープレゼントいつ
も一番に渡すって聞いてるよ。
でもさあ、DARK MOONのとき、京子
ちゃん、君の誕生日間違えてたよね。
あれはどうよ？」
「最上さんから貰うなら何でも嬉しいよ。」
蓮は恥ずかしそうに微笑んだ。
ホントに好きなんだね。俺は京子
ちゃんからは降りてるからね。
貴島はくすっと笑った。
End