「ここで待機してね。」
社に言われて蓮と大宴会場前で待機する
キョーコ。
LME専属の衣装、メイク係。突然の社の
登場。
急なヒロイン交代が最初から判って
いたような対応。
そして、タキシード姿の蓮。
ドラマの制作発表とどこか違う気が
する。
「あの…敦賀さん！」
「ん？」
甘い微笑みを浮かべる蓮。
「これってまさか…」
蓮は狼狽えるキョーコの左手を取り
口付けた。
「当たり。これをつけてね。」
蓮は薬指に一体何カラット！？と
いうような大きなダイヤの指輪を
嵌めた。
「さあ、行こうか。」
ぐずるキョーコの手を取り、
会場に入った。
瞬間、無数のカメラのフラッシュ
が光った。
「「「「おめでとう！！」」」」
祝福の声がかかった。
壇上には宝田社長と椹主任が
先に座っていた。
「よお、蓮。うまくいったよう
だな。」
「最上さん、ごめんね。蓮が不憫
でさ。」
顔をひきつらせるキョーコと
神々スマイルを浮かべる蓮。
社がマイクを手にした。
「お忙しい中、お集まりいただき
ありがとうございます。只今から
敦賀蓮、京子の婚約記者会見を執り
行います。」
End