「最上です。はい、敦賀さんは
いらっしゃいます。」
キョーコは蓮を呼んだ。
「敦賀さん、社さんです。」
蓮が社と話している間、キョーコは
着替えていた。
(…社さん、どうしたのかしら。携帯
壊したのかなあ。)
蓮は電話中、ちらちらとキョーコ
を見ていた。
(…？？)
「はい。多分大丈夫だと思います。
わかりました。１時間後に。」
蓮は受話器を置いた。
「最上さん、ヒロインが体調不良のため
最上さんに交代して欲しいというんだけ
どいいかな？」
蓮の突然の言葉にキョーコは驚く。
「いきなり！あの…台本も見てません
し。」
「最上さんなら大丈夫だよ。１時間後に
記者会見だから、これから衣装室にいっ
てくれる？」
「えーっ？！」
衣装室
入っていくと馴染みのメイク係が
待機していた。
「キョーコちゃん、時間がないから
急ぐわよ。首までファンデ塗るから服
脱いでもらっていいかな？」
「え？」
「着物だもの。当然でしょ。まさか、
敦賀さん、首筋にキスしてないよね？」
「え////(何で真奈さん、敦賀さんと
一緒って知ってるの？)」
困惑しているキョーコをよそに
ウイッグをつけられ、豪華な着物が
着せられた。
「ずごーい、綺麗！！」
「素敵です////」
衣装係やメイク係が感動の
あまり拍手していた。
その時、ドアがノックされた。
入ってきたのは社だった。
「おはよう、キョーコちゃん。
今日はよろしくね。」
第１０話に続く