「最上さんが鶏くんだったのか。」
「はい…。」
蓮のマンションに着いて30分。
交わした会話はこれだけ。
頭を抱える蓮と俯くキョーコ。
想い人に悩みを相談していた
蓮と大先輩に恋の指南をしていた
キョーコ。
知られてしまい、お互いに居たたま
れない。
「「あの…」」
お互いに言いかけてはやめていた。
均衡を破ったのは蓮だった。
「君に相談していた片想いの相手が
誰か判る?」
「あの、キョーコちゃん。」
「え?」
「寝言でキョーコちゃんと…」
蓮は大きな溜め息をついた。
「なんだ…俺の気持ち知っていたのか。
酷いね、君。それなら俺のことなんか
好きじゃない。古賀くんが好きだと
言えばいいじゃないか。」
責める蓮にキョーコはムッとする。
「私じゃなくて敦賀さんの想い人の
キョーコちゃんさんの話ですよ。敦賀
さんの気持ちを知ったからって私が
どうして古賀さんを好きと言わなきゃ
ないんですか!」
「古賀くんのこと好きじゃないの
か?」
蓮は驚いたようにキョーコに問い
かける。
「違います!私の好きな人は…///」
押し黙り、俯くキョーコ。
「俺のキョーコちゃんはこの世に
たった一人だけ。最上さん、君だよ。」
蓮は神々スマイルを浮かべながら
告白した。
「嘘っ!敦賀さんは私をキョーコ
ちゃんと呼んだことないし、私の
ことを好きなわけない!3年間そんな
素振り見せたことないじゃないです
か!」
キョーコは叫んだ!
「君が未成年だから自分を抑えてい
た。君が二十歳になったら告白しようと
思っていた。だが、いざその時がきた
ら、君に拒絶されるのが怖くて…」
「敦賀さん/////」
「さりげなく君に誘いかけるように泊
まらないかと言い添えていたが、その
後に古賀くんと会っていたのはショッ
クだった。」
「それは!古賀さんは『泥中の蓮』の
時から私が敦賀さんに片想いだと知って
いて励ましてくれて「もう一度、言っ
て」
「えっ?」
「最上さんは3年前から俺のことが好き
だったの?」
驚く蓮。
「違いますよ…もっと前から…好きでし
た。」
「最上さん!」
蓮はキョーコを抱き締めた。
「俺達、ずっと両想いだったんだ
ね!愛してるよ、キョーコ!」
「敦賀さん////く、苦しいです。」
蓮はキョーコを蕩けるような目で
見つめた。
「愛しくて堪らない。」
熱く濃厚なキスをキョーコに
送った。
「敦賀さん…好き。」
キョーコは涙を浮かべながら微笑ん
だ。
蓮はキョーコを抱き上げた。
「今日は泊まっていくよね?」
キョーコは俯きながら頷いた。
End