「こんばんは！今日も始まるよ。
『やっぱきまぐれロック』本日最終回！！」
ブリッジ・ロックの軽快な挨拶で
番組がスタートした。
坊(=キョーコ)が現れ、ポーズを決め
大歓声が沸く。
「なんと本日は最終回に相応しいゲスト
が登場します。俺らも聞いてないです。
どれどれ…」
名前が書いてある用紙をみて絶句する
リーダー光。
「リーダーなにやってるんだ、どれど
れ…」
用紙を取り上げた雄生も手を震わせた。
「なんでや…」
慌てた慎一が覗き込み、仰天したが
大声を張り上げた。
「本日のゲストは大人気俳優敦賀蓮くん
と古賀弘宗くんです！！」
一瞬、しいーんとしたが、次には
割れんばかりの拍手と大歓声があがっ
た。
「こんばんは、敦賀蓮です。」
「こんばんは、古賀弘宗です。」
二人が出てくると会場はヒート
アップして失神者まで現れる始末。
「いやあ、すごい人気ですね。第一回
の不破尚くん以来の歓声ですね。」
慎一の言葉に光と雄生は慎一の頭を
ポカッと叩き、小声で「あほ」と
たしなめた。
中央にブリッジ・ロックと坊。
左に蓮、右に古賀という並びで
番組は始まった。
モニタールームで見ていた椹や
番組スタッフも凍りついていた。
「蓮は聞いていたが、古賀くんを
誰が呼んだんだ。」
憤る椹。
「俺だよ。面白いじゃないか。恋敵
同志。どちらが気がつくかな。愛しい
彼女が『坊』ってことに。」
ご機嫌なプロデューサー。
椹は身体を震わせたが、TBMで
キャスティング権を握る彼には
逆らえない。
第５話に続く