TBM撮影所
「おい、敦賀蓮だよ。本当に現れた。」
「そりゃそうでしょ。ナツの恋人役だも
の。」
興奮する監督の横で、冷静に話す助
監督。
「敦賀蓮が俺のドラマに出てくれるなんて
夢のようだ。君を信じて良かった！京子
ちゃんをヒロインにしたサイドストーリー
なら敦賀くんにオファーすれば必ず受ける
と。」
感激する監督に助監督は得意気に微笑
んだ。
「いまや業界の常識ですよ。敦賀くんが
京子ちゃんに夢中で追いかけ回してるの
は。」
「そこが判んないんだよな。京子ちゃん
可愛いけど芸能界はもっと綺麗な子いっ
ぱいいるし。それにさ…彼女、モデル体型
とはやされてるけど出るべきとこがつる
んぺたんだし。おや？なんで『泥中の
蓮』出なかったんだろう？」
「さあてね。(ったく…セクハラ親父！)
二人待ってますよ。」
「おっと…本番スタート！！」
話は進み…
「ナツ、俺を誘惑しておいて無事で
済むと思ってるのか？」
「先生が魅力的だから身体が疼いて来
ちゃったわ。キスして？」
ナツ役のキョーコが教師役の蓮に
にじりよる。
その時、蓮はキョーコの耳許で囁いた。
『勿論だよ。君の純潔を奪うのは俺
だから。』
「なっ////敦賀さん…んんっ」
蓮は顔を傾けてキョーコの唇が1カメ
にうつるようにしながら舌を絡める
濃厚なキスをした。
「はい、OK！カーット！」
「いやあ、外国人みたいな長くエロい
キスだったなあ。あんなの各局のドラマ
でしてたら京子ちゃん、もう堕ちてるん
じゃないか。」
「そうでもないです。敦賀くんが独占欲
丸出しでも京子ちゃんは敦賀くんのこと
破廉恥な人としか思ってないみた
い。」
「敦賀さん！フリでいいって監督さん
言ってたのにっ////」
真っ赤な顔で抗議するキョーコに
蓮はクスッと笑った。
「君が可愛いから思わず…ね。次の
シーン行くよ。濃厚なベッドシーン」
「変な言い方しないでください///」
「緊張してる？君は慣れてないと
思うから教えてあげるけどブラは外して
ね。カメラに映るから。大丈夫、視聴者
には見えないから。俺の肌が覆い被さる
からね。」
「もう////破廉恥ですよっ！！」
相変わらず進展しない二人だったが
キョーコとの共演に嬉々とする蓮だっ
た。
End