蓮くんに古賀くんと京子ちゃん急接近
を報告してあげようとLMEに出向いた。
社さんからもうじきここに顔を出す
ことはリサーチ済。前回飲みに誘って
とんでもないことになったからお詫びも
兼ねてかな。
おお、来た来た。
「敦賀くん！久しぶり！」
俺は敦賀くんに声をかけた。
「やあ、貴島くん。」
敦賀くんは、気取った顔で胡散臭い
笑顔を向けてきた。
.あ~あ、前より拗らせた顔しちゃって。
わかるよ。京子ちゃんと進展してない
んだろ？
「仕事終わりだろ？飲みに行こうと誘い
に来たんだ。今日は俺がおごるからさ。」
敦賀くんは何やら考えていたが、頷い
た。
敦賀くんはグラス片手に思い詰めた
顔をしていたので単刀直入に訊いた。
「何か悩みごとでもあるの？」
どうせ京子ちゃんのことだろうけど。
「タンボボリングをピンキーに嵌め
たら最低なのか？」
「はあっ？」
言ってる意味がわからず聞き返した。
敦賀くんは一連の出来事をかいつまん
で話してくれた。
うーん、メルヘン系の京子ちゃんなら
喜ぶ話じゃないのか？
もし、彼女が蓮くんに気があったら
尚更。
どこから「最低」という言葉が出てく
るんだろう？
私の指には本物の高価な指輪しか似合
わないの！ってキャラじゃないし。
やっぱり、京子ちゃんの思考回路は
理解不能だ。
「俺にもわかんないな。ラブミー部員
だし。でもさ、敦賀くんがピンキーリン
グの効用を話したら悲しい顔したんだ
ろ？もしかしたら指輪を嵌めたのに色気
のあること言わなかったからじゃない？
将来の約束だよとか次は薬指にあげるよ
とか。」
「タンボボリングで？」
敦賀くんは驚いた顔をした。
それには逆に俺が驚いた。
「女の子の指に嵌めたのに？」
敦賀くんは首を傾げてる。
ダメだ、敦賀くん。古賀くんに
負けるかもしれないよ。
End