「敦賀さんの相手役ですか？」
キョーコは聞き返す。
「うん、イメージにあった子がいないなと
監督が困ってたので最上さんを推薦して
おいた。」
蓮は神々スマイルを浮かべながら言っ
た。
「オーディションで選ばれるかわからな
いですけど頑張ります！」
キョーコは笑顔で答えた。
「古賀さんの相手役ですか？」
キョーコは聞き返す。
「女剣士が出来る若手がいないと監督が
嘆いていたので、京子ちゃんを推薦して
おいた。俺に恥をかかせないように頑
張ってね。」
古賀は皮肉混じりに微笑んだ。
「はい！ご期待に添えるようにオー
ディション頑張ります！」
キョーコは大きく頷いた。
「着ぐるみ選手権in札幌？」
キョーコは聞き返す。
「そう、着ぐるみNo.1を決める大きな
大会で『坊』が参加すれば俺達も行ける
んだ。観光もついてるし、京子ちゃん、
いってくれるよね？」
ブリッジロックのリーダー光は
両手を合わせた。
「勿論です！エントリーしてくだ
さい。」
キョーコは胸をたたいた。
「なるほど。安請け合いして全部被っ
ちゃった訳だ。」
社はスケジュールをみて溜め息を
つく。
「すみません！社さん。スーパーマ
ネージャーのお力ですべてに参加で
きるようにお願いします。」
キョーコは何度も頭をさげた。
「古賀くんのロケが京都、蓮のが東京
そして着ぐるみは北海道。すべてが
被ってる。う～ん、東京と京都は調整
出来るけど着ぐるみ邪魔だな。これ、
キャンセルしよう。」
社は即断した。
「えーっ、困ります。ブリッジロック
さんとは一番長い付き合いなのに。」
キョーコは悲鳴をあげた。
「どうしても時間的に無理な日が
あるんだ。俺的には『坊』自体を
もう辞めて欲しいくらいなんだけ
ど。」
社は断りをいれるためスマホを手に
した。
「お待ちください、社様。」
社を止めたのは社長の側近だった。
「「ルトさん！」」
「社長から仰せつかり、最上様の
着ぐるみ選手権の送迎を私が自家用
ジェットでさせていただきます。」
「「自家用ジェット！」」
仰天する二人。
「京都から打ち上げには参加しない
でジェットにお乗りいただき、着ぐる
み選手権終了後観光には参加しないで
東京にお戻りいただければすべての
スケジュールをこなせるとのことで
す。」
ホッとするキョーコをよそに
社は首を傾げた。
(…社長はどうして京子ちゃんをそこ
までして着ぐるみ選手権に出そうとし
ているんだろう？)
End