『泥中の蓮』ファンミーティング
壇上には司会者と主演の古賀弘宗
ヒロイン朝比奈とキョーコが座っていた。
司会者「では、映画の話はこの辺で。
ファンが気になってること聞いちゃいま
しょう。古賀さんは京子さんと特別
親しいそうですが、ホントですか?」
古賀「俺は皆さんと仲良くさせていた
だいてますよ。京子ちゃんは妹みたいな
感じでたまにいじってます。紅葉の
演技をしている彼女はとても魅力的です
ね。殺陣もいい。」
そう言ってキョーコに満面の笑顔を
見せる。
会場から悲鳴があがる。
司会者「うわあ、セクシーな笑顔です
ね。京子さんはいかがですか?」
キョーコ「大先輩と親しいだなんて////
違います!古賀さんは結構意地悪…いえ///
要求も厳しいし。でも、芝居に対する
姿勢は真摯で素晴らしいと思います。」
古賀「何だよ、それ。褒めてるんだか、
けなしてるんだか。」
朝比奈「誉めてるんですよ。二人はいつも
一緒でイチャイチャして妬けちゃうわ。
さっさとくっついちゃえば?」
古賀・キョーコ「「イチャイチャしてな
い!」」
司会者「ハモっちゃって。仲いいです
ね。」
LME休憩室
大画面テレビを凝視する男性が二人。
人気俳優敦賀蓮と敏腕マネージャー
社だ。
「まるで交際会見みたいですね。」
腕組みしていた蓮がポツリと呟いた。
「そ、そうかな…ただのイベントだよ。」
社は顔をひきつらせながら答える。
笑顔の古賀とキョーコを憎々しく
見つめる蓮。
「もし俺が志津摩だったら、最上さん
との距離が縮まったのかなあ。」
「何だよ、蓮。俺のせいだって言う
のか。」
「別に…」
「いや、お前は俺のせいだと思ってる。
日程が被っても組むべきだったと。」
「………………。」
「 キョーコちゃんが初めて片想いする
役なのに何やってるんだよって。」
「思ってません。」
「いや、思ってる!」
アカトキ休憩室
(…嫌な絵面だわ。キョーコちゃんは
敦賀さんじゃなくて今度は古賀さん
なの?抱かれたいタレントが好き
なのかしら?意外だわ。何はとも
あれ尚がアメリカでよかった。)
祥子は溜め息をついた。
End