キョーコは顔を上げた。
「敦賀さん…/////」
「遅くなってごめんね。」
蓮は涙に濡れたキョーコの頬を撫でた。
キョーコは涙を溜めた目で蓮をみつ
めた。
蓮は視線を泳がせた。
「まず…立とうか。」
蓮はキョーコの手を取り立ち上がら
せた。
「遅くなったけど、時間には間に合っ
た。25日だ。お誕生日おめでとう。
最上さん。」
蓮は一輪の青い薔薇「プリンセス・
ローザ」を手渡した。
「ありがとうございます////」
「ひとりぼっちだと思ったの？俺は
毎年、最上さんの誕生日をお祝い
するよ。」
涙の跡の残るキョーコに蓮は
優しく語りかけた。
「あ…あの、ありがとうございます。」
蓮の神々スマイルにキョーコは
浄化した。
「ドレス似合ってるよ。最上さん、
ドレスを着たまま後片付けしたの？」
「あ…あの/////」
キョーコは顔を真っ赤にして俯いた。
「もしかして俺を待っててくれたの？」
「………は…い////」
キョーコは頷いた。耳が真っ赤だ。
「本当に？うわあ、やった！！」
蓮には珍しく歓声をあげてキョーコ
を抱き締めた。
「敦賀さん/////」
「夢のようだ。最上さん、愛してる
よ。」
蓮はキョーコの顔を上げさせ、
濃厚なキスをした。
キョーコの瞳から涙がこぼれ
落ちた。
「私も大好きです。でも、敦賀さん
には別に想い人がいらっしゃいます
よね？」
「え？俺の想い人は最上さんだけだ
よ。」
「４つ年下の高校生の…」
「それは君だろう？」
「でも、DARK MOONのときから
好きと…」
蓮は驚いたようにキョーコを見つ
めた。
「一体誰から訊いたの？」
「あの…えっと…」
言葉を濁すキョーコ。
「『坊』からだろう？うわあ、信頼し
てたのに本人に喋るなんて信じられな
い。他にも吹聴して歩いてるのかな。
あいつ、懲らしめないと駄目だな。」
怒っている蓮にキョーコは慌てた。
「懲らしめないでください。私が『坊』
です！！」
「え？！」
「蓮さま、うまくお姉様に告白できた
かなあ。」
ネズミーランドでネズミーとの
2ショット写真を皇貴やLME写真部に
撮られながらマリアは呟く。
「お膳立てしてやったんだ。うまく
いくさ。もともと最上くんは蓮が
好きだからな。」
ローリィはマリアとネズミーの間に
入りながらにやりと微笑んだ。
「ええっ、もともと両想いなの？
お祖父様、教えて差し上げればいい
のに。」
「恋愛は苦難があった方が燃え上がる
のさ。」
「お祖父様ったら意地悪なんだから。」
「父さん、敦賀くんと京子さんはこちら
には来るんですか？花火の準備をして
いますが。」
皇貴はローリィに訊ねた。
「まあ、誘ったけど来ねえだろうな。
今頃、あいつのマンションだろう？」
「それは困ります！敦賀蓮と京子が
来るので待機してとスタッフに指示を
出してます。」
「ほんっとに固い奴だな。大丈夫だ。
代わりに千織くんが人気お笑い芸人た
ちを椹くんがご家族とLMEのタレント
を連れてやってくる。集まったら花火
をあげてくれ。」
「了解しました。」
End
Merry X'mas！！
初稿2019,12,25
