「本日は1日DJポリスにタレント京子
さんをお招きしています。京子さんは
英語が堪能です。ということで英語で
アナウンスして頂きましょう!」
紹介を受けて制服姿のキョーコが
英語でアナウンスを始める。
一斉にスマホがかざされた。
「京子、英語ペラペラじゃん」
「実物初めて見た。美人だなあ。」
騒ぎをよそにスタスタとスクラン
ブル交差点を渡っていた一人の男が
ピタッと足を止めた。
「この声、この話し方!」
振り返り、宣伝カーまで走ってきて
叫んだ。
「化けていても分かる!お前は雪花だ
なっ!!京子ってなんだ!」
現れたのは人気俳優村雨泰来。
「 「「泰来よ!きゃあああっ」」」
スクランブル交差点は大混乱に
おちいった。
(…村雨さん、なんでこんなところに
っていうか、この状態まずい!交通
事故になる!)
キョーコはマイクを強く握りしめた。
「皆さん!落ち着いて下さい!村雨
泰来さんは宣伝カーからご挨拶して
くださいます。さあ、村雨さんお願い
します。」
誘導された泰来は渋々挨拶する。
「こんちは。村雨泰来です。」
「「「「きゃああああっ!!」」」」
キョーコはこの隙に社に事情を話し
宣伝カーを降り、逃げ出した。
(…村雨さんに問い詰められたら大変だ
わ。)
取材していたカメラマンが手招き
した。
「こっちが安全だよ。」
声を聞いた瞬間、キョーコはハッと
した。
「敦賀さん?」
「正解」
髭のカメラマンは敦賀蓮だった。
「敦賀さん、どうしてここへ?」
「勿論、最上さんを見に来たに
決まってるじゃないか。」
「つぅ////紛らわしい言い回し。
勘違いしますよっ!」
顔を真っ赤にさせたキョーコを
蓮はクスッと笑う。
「ほら、前に最上さんがくれた交通安全
の御守り(※キョーコを型どったもの)と
実物を比べて見たいと思ってね。」
蓮は交通安全の御守りをキョーコに
かざす。
「ぎゃあああっ!人前に出さないで
くださいとお願いしたじゃないです
か!!」
「これも可愛いけど実物の最上さんの
ほうが断然可愛いなあ。いや、すごく
綺麗だ。」
「何、しれっといってるんですか////
勘違いするって言ってるじゃないです
か!」
「本心から言ってるのになあ。」
二人の会話を聞いていた社は溜め息
をついた。
(…蓮、いい加減告白しろよ)
End