奏江がアメリカに旅立ち、奏江の代表作
水森都シリーズ出演がキョーコに回って
きた。
キョーコの役は新米弁護士。「ナツ」
のイメージでと言われた。
クールな弁護士役は最上冴菜を彷彿
させると評判でシリーズの人気も
うなぎのぼりだ。
「お前ってホントに別人になれるのな。
すげえ。」
感心する上杉飛鷹。
「実力派の飛鷹くんに褒められるなんて
私も演技に幅が出てきたのかしら。」
「外見だっ!演技力じゃねえから。」
「言うわね。この間までモー子さんと離
ればなれになるの嫌で泣いてた癖に。」
「泣いてねーよ/////」
楽しそうに話す二人をみて他の出演者
は噂していた。
「あの二人、仲いいよね。」
「すごい気さくというか…琴南さんと
飛鷹くんは姉弟みたいだったけど、
あの二人は////」
「恋人同士だよね////きゃっ。」
「飛鷹くん、背が伸びたらかっこよく
なったね。ポスト敦賀蓮だわ。」
「水森都シリーズにでたい?蓮、
なんでまた…ああ、キョーコちゃん新
レギュラーか。ゲスト出演で最終回に
でも出るか? 」
社が軽く話すと蓮はかぶりを振った。
「どんな役でもいいんです。レギュラー
でよろしくお願いします。」
「敦賀さんがレギュラー出演ですか。
わあっ、共演久しぶりですっ。」
キョーコは社から聞いて喜ぶ。
「毎回5分だけどね。」
社は苦笑する。
「忙しい敦賀さんが喫茶店のマスター
役で、私が演じる弁護士の愚痴を毎回
聞く役って////共演者は私だけで申し
訳ないですっ。」
「はははっ」
社は苦笑した。
(…蓮の執念聞いたらキョーコちゃん仰天
しちゃうね。)
「毎回5分だけだぞ?あとはスケ
ジュールが詰まってて無理。それで
いいのか?」
「はい!是非お願いします。」
「5分間キョーコちゃんと共演する
ために移動時間がきびしく『無遅刻
キング』の称号も危うくなるんだぞ。」
「別に最上さんと共演できるなら
そんな称号どうでも。」
「けどさ、蓮。飛鷹くん牽制のため
って彼、中学生だよ。心配しすぎじゃ
ないのか?」
「いいえ、馬の骨は早めに除去してお
かないと。」
得意気に話す蓮。
(…飛鷹くんは誰がみても琴南さんだし、
キョーコちゃんはお前のこと好きだろ。
ホントに恋愛音痴だな。お前。)
社は溜め息をついた。
End