打ち上げはキョーコが初体験のクラブで
行われた。
皆が楽しく踊っている中、踊れない
キョーコはVIPルームにジェームスと二人
きりだ。
ジェームスはキョーコに対する愛を切々
と語っていた。
「遊びじゃないよ。京子とステディな
関係になりたいんだ。」
ジェームスは真剣だ。
「ジェームス、私は帰るのよ。もう、
会えない。」
キョーコはかわそうとする。
「大丈夫だよ。僕は日本のCMに出て
いて知名度が高いから日本で活動も可能
だよ。」
端正な顔に笑顔を浮かべるジェーム
ス。
「でも…でも/////」
キョーコは言葉を探すが見つからない。
強い拒絶も出来ない。
その容姿はコーンと似ている。
コーンは妖精だが、ジェームスは生身
の人間だ。
まるで夢の王子さまのような容姿の
ジェームスに抗えない。
こんな素敵な男性に迫られたことが
キョーコにはない。
※尚にはキスはされたが、迫られては
いない。蓮のやることすべてはお仕置き
だとキョーコは思ってる。
身体は密着していてジェームスは
耳元で話している。
キョーコは緊張で顔が真っ赤な上に
変な汗まで出ていた。
ジェームスはドレスの上から胸を撫で
た。
「ジェームス！！」
「ふふ、可愛いね。手の中にすっぽり
入った。」
ジェームスはキョーコの胸を包み込み
ゆっくりと揉み始めた。
「いやっ、ジェームス！止めて！」
キョーコは身体をよじって抵抗する。
「身体はそうは言ってないよ。」
ジェームスはキョーコの胸の尖端を
つまんだ。
「あ…ああんっ」
キョーコは今まで味わったことのない
感覚に思わず声をあげた。
ジェームスは片手を胸におき、もう、
一方を太股に滑らせ、同時に深いキスを
した。
「んんっ////」
キョーコは必死に離れようとするが
力がでない。
ぼんやりとした脳裏に蓮の顔が浮か
ぶ。愛しい人…でも、彼の想い人は
『キョーコちゃん』さん。
叶わぬ想い。悪魔が囁く。
いくら想っても一生片想い。だったら
コーンに似ていて自分を想ってくれてる
ジェームスでいいじゃん！！
でも、でもやっぱり敦賀さんが好き。
「止めて、ジェームス！」
キョーコが叫ぶと同時に身体がフワッ
と軽くなった。
ジェームスをキョーコから離したのは
蓮だった。
「敦賀さん！！」
「クオン？」
ジェームスはまじまじと蓮を見つめ
た。
「久しぶり、ジェームス。この娘、
俺のなんで連れて帰るね。」
蓮はにっこりと微笑みキョーコの
手をとった。
(…似非紳士スマイルだ。)
「ホントなの？」
ジェームスが問いかける。
「うん、ごめんなさい。ジェームス」
キョーコは嘘をついた。
「敦賀さん、あの…」
キョーコが話しかけようとした
瞬間、手を強く握り返された。
「痛っ！」
キョーコは声をあげ、蓮の顔を
見上げて凍りついた。
見たこともない恐ろしい形相だった。