「「えーっ？！」」
キョーコと泰来は異口同音に叫んだ。
「敦賀くんがここに？」「滞在するんです
か？」
クーは頷いた。
「ジュリのエスコートをしてもらうんで、
よかったらと誘ったら快諾してくれた
よ。」
「そうですか////」
嬉しさを隠せないキョーコ。
「敦賀くん、どうしてホテルにしなかった
んだろう。クーと初対面だろ？緊張しな
いのかなあ。」
泰来は疑問を口にする。
「そ…それは」
慌てるクー。
「初対面じゃないですよ。先生…パパが
来日した時に会ってます。」
冷静に答えるキョーコ。
「そうだよ！レンが『DARK MOON』の
主演をした時に私がたまたま来日してい
たので挨拶されたんだよ。」
クーは助け船を出され、ホッとする。
「なるほど。敦賀くん、クーのリメイク
版にでてましたね。クーには遠く及ばな
かったけど。」
「「そんなことない！！」」
異口同音に叫ぶクーとキョーコ。
ふたりの勢いに目を丸くする泰来。
「クーは謙遜だろうが、あんたはちょっ
と失礼じゃないか？」
泰来に睨み付けられるキョーコ。
しかし、キョーコは怯まない。
「敦賀さんは一流の俳優です！嘉月の気
持ちもしっかりつかんでいたし、素晴ら
しいんです！」
「そう…ま、いいけどさ。」
泰来はぞんざいに答えたあと、ハッと
してキョーコに訊ねる。
「あんたさ、敦賀くんのファン？」
キョーコは少し顔を赤らめながら答え
る。
「勿論。尊敬してます。」
「好きなんだろ？」
泰来は探りを入れる。
「勿論。信仰してます。」
キョーコは胸を張って答えた。
ローリィや古賀やジュリの時のように
顔面崩壊して恋心がばれないようにあえて
オーバーアクションにしてみた。
コーンに話したときのように。
「芸能界そんな女ばっかりだよ。共演す
るなんていったらサイン貰ってくれと
色紙を山ほど渡されそうだよ。それから、
写メ撮って来てとか。敦賀くんとは共演
したくないな。」
泰来の言葉にキョーコは苦笑する。
(…村雨さん、貴方はしっかり共演してます
よ。嫌になるくらい。)
泰来は騙されたが、クーはキョーコの
蓮への思慕を感じ取った。
(…ブラボー！クオンとキョーコは両想い
だ。ジュリのいった通りだ。)