「キョーコ、来月まで滞在できるの?」
「はい、急に決まってすみません。」
「大歓迎よ!セドリックがショーにエス
コートしてくれるの?すごいわ。映画の
PRにもなるわね。」
大喜びのジュリエナにキョーコは
ホッとする。
「私なんかと一緒でセドリックさん大丈
夫なのかな。」
「彼はフリーだから。最近まで日本の女
優に付きまとわれてうんざりしてたけ
ど、その子、女優をやめて親の手伝いに
日本に帰ったからせいせいしてるみた
い。」
(…森住さんだ…)
「アールマンディのショーにはクオンさ
んは出るんですか?」
キョーコの問いにジュリエナはぎょっ
とする。
「今回は来ないみたい。でも、レン・
ツルガが来るのよ。私もショーに参加す
るの。アールマンディが私のためにドレ
スを作ってくれたのよ。レンがエスコー
トしてくれるの。」
「わあっ、素敵ですね////」
『レン・ツルガ』に心臓がどくんと跳
ね上がったキョーコだが、平静を装う。
「ふふ、私も楽しみにしてるの。そう
だ!キョーコも参加してみない?」
突然の誘いにキョーコは驚く。
「え?!」
「今回はお祭りみたいなショーで歌手や
女優も多数参加するのよ。」
「でも…勝手に参加なんて。」
「大丈夫!私がアールマンディに連絡
しておくわ。どう?」
ジュリエナの提案にキョーコは身体を
震わせた。
(…世界のスターと私が?無理じゃな
いかな?場違いじゃないかな?)
しかし、蓮の笑顔が浮かび、両手を握
りしめた。
「お…お願いします/////」
「楽しみっ、クーにも教えてあげな
きゃ。」