セドリックの言葉にキョーコの胸の鼓動
が速くなる。
(…敦賀さんがこちらに来る!)
しかし…
「すみません、私は月末に日本に帰りま
す。来月から仕事があるので…。」
「何か急ぎなの?映画?ドラマ?」
「いいえ、バラエティ番組のアシスタント
です。(※坊)」
「じゃあ、それはキャンセル。」
「ええーっ?!無理ですっ。今月はワール
ドカップがあってお休みですが、来月か
ら再開で…プロデューサーに叱られま
す!」
うろたえるキョーコにセドリックは腕
組みする。
(…人気女優がバラエティ番組のアシス
タント?それって重要なのか?)
「判った!ローリィに電話する。」
「ええっ?!」
驚くキョーコをよそにセドリックは
スマホを手にした。
「あ、ローリィ。実は…」
いきなり、話始めたセドリックに
キョーコは仰天する。
ローリィって社長さんよね?!
「京子、代役がみつかったって。チオ
リって子で。一週間休暇もらったよ。
帰りはレンと帰ってきてだってさ。」
「ええーっ///」
チオリンが坊の代役を引き受けてくれ
て、敦賀さんのファッションショーを
見ることが出来る上に帰りは敦賀さんと
一緒///夢みたいな話だ。
「セドリックさん。」
キョーコに感謝の目で見つめられ
セドリックは苦笑する。
「俺と一緒で嬉しいってことにして
おくよ。当日はドレスアップしてきて
ね。」
セドリックはウインクした。
「社くん、よく最上くんのスケジュ
ールを一週間、空にできたな。」
ローリィに感心されて社は照れた。
「蓮に嫌み言われて、調整していたん
ですが、一つだけ社長案件の仕事があ
ると伺い相談させていただいた次第で
す。」
「ああ、あれは難しくて琴南くんや椹
くんに頼んだんだが断られ、天宮くん
だけが勉強にやってみたいといってく
れてね。」
「そうですか!ホントにありがとうご
ざいました。早速、蓮に「社くん、待
て!」
ローリィが社を制止した。
「蓮には言うな。当日まで秘密だ。」