「忙しそうだからきっと無理かなと思った
のよ。嬉しいわ。」
ジュリエナの言葉にセドリックは微笑み
頬にキスした。
「まさか。お二人の誘いを断ったことは
ないですよ。そちらのレディが京子?」
「そうさ。私達の娘だよ。」
クーが得意気に言いながら、キョーコを
呼び寄せた。
「初めまして。セドリック・D・べネッ
トです。」
セドリックはキョーコと握手した。
「京子です。」
キョーコはセドリックをみつめた。
(…この人が森住さんの想い人…)
がっしりした体型でちょっとワルな
感じが全米女性に大人気だ。
(…私は敦賀さんのほうが、断然っ、素敵
だと思う///)
「京子と少し話してもいいかな?」
セドリックの言葉にクーとジュリエナは
異口同音に 「ぜひ!!」と促した。
「君、クオンの想い人なんだろ?」
「え?コーン?」
「そう、クオン。日本にいるんだろ?」
セドリックの言葉にキョーコは首を傾げ
る。
(…妖精は妖精の国にいるのでは?)
「あの、コーンと何処でお知り合い
に?」
「ああ、クオンとは幼馴染みだよ。」
「ええっ?!」
このワイルドなセドリックも妖精一
族?!
「クオンは別の名前で仕事してるんだ
ろ?たしかレン・ツルガ」
「違う!!違いますよぉぉ。似てるけど
…違います。敦賀さんは人間…日本人で
す。」
キョーコは必死で訂正する。
「ああ、トップシークレットか。まあ、
いいや。クオン元気?」
「元気です。」
「元気ならいい。ふうん、君がクオンの
ねえ。俺はタイプだけど、昔からクオン
の好みは判らなかったなあ。来るもの
手当たり次第だったし。」
「コーン、モテたんですか?」
「そりゃあ、あの容姿だからね。夢の
王子さまみたいだろ?」
「はいっ!!」
即答するキョーコにセドリックは声を
あげて笑った。