「アールマンディの専属に私の先輩も居り
ます!敦賀さんです///」
驚いているキョーコにジュリエナはハッ
とする。
「あ、クオンはまだ駆け出しで、あまり
メディアには登場してないのよ。」
ジュリエナはあわてて加える。
「まさか、ママにそっくりのクオンさんで
すよ。ご謙遜を。トップになると思いま
す。幼少のクオンさん、妖精のようです
もの。」
ニッコリ微笑むキョーコをジュリエナは
じっと見つめた。
「レン・ツルガと比べてどう?」
「え?!」
キョーコは返事に窮する。
「クオンさんにお会いしたことないの
でコメントできないです。」
「そうよね。そうだ!レンに私の髪と
瞳を置き換えてみて。」
「!!」
「キョーコ?」
「お、お二人とも素敵だと思いま
す////」
キョーコの顔をみたジュリエナは
「ぶぷっ」と笑いを堪えた。
にやけて 顔面崩壊しているキョーコ
の顔が如実にすべてを語っていた。
「笑いましたよね?」
「笑ってないわ。笑って…ぷぷっ、
キョーコ、本当にレンが好きなの
ね。」
「/////////」
社長、古賀に続いてジュリエナに
まで気持ちがバレてしまった。
「女優なのに…ダメですね。ママ、
パパに教えないでください。お願い
します!!」
必死なキョーコにジュリエナは
キュンとする。
(…可愛い、ホントに可愛い。クオンが
ベッドに押し倒せば即…よね。)
ジュリエナはその時気がついた。
タイラの存在が二人の距離を縮める
どころか遠ざける気がしてきた。
クーファンのタイラは本当にクーを
崇拝している。俳優としても才能がある
ようでタイラがキョーコに対してその気
になれば、クーは応援しそうな勢いだ。
(…クオン、こちらにこれないの?)
「くしゅん!」
「お、蓮。珍しい。キョーコちゃんに
噂されてるんじゃないのぉ。」
社にからかわれて蓮は否定する。
「まさか。(…母さんならありだな。)
最上さんは俺の話なんかしてません
よ。」
「ごめんな。うまくスケジュール調整
できなくて。お前が向こうにいくのは
キョーコちゃんと入れ違いだ。」
「気にしないでください。普段もさほ
ど逢えていませんし。」
「うわあ、蓮!無能なマネージャーで
ごめん。」
「え?俺、何も言ってませんよ。」
蓮は笑顔を浮かべる。
「うわあ、やめてくれえ。その嘘くさ
い笑顔 。お前のが無理ならキョーコ
ちゃんのスケジュールをずらす。向こ
うで休暇が取れるように。」