「村雨泰来です。ご厄介になります!」
泰来は大きなスポーツバッグを抱えてやっ
て来た。
泰来はジュリエナやキョーコには見向き
もせず、クーに駆け寄った。
「クー、お声がけありがとうございまし
た。ガキの…高校生の時から貴方のファン
です/////」
両手で力一杯握手され、クーは照れる。
「ああ、それは光栄だね。妻のジュリエ
ナと女優の京子だ。」
二人を紹介した。
泰来はその時やっと二人に目をやる。
(…クーのパートナーのジュリエナ。世界
一のモデル。さすが生きる宝石と呼ばれて
いる人だ。)
「初めまして。」
泰来は緊張しながらジュリエナに握手す
る。さすがスーパーモデル、長身の泰来
と背丈が変わらない。
もう一人の少女を見やる。
(…『泥中の蓮』の紅葉?この平凡で特徴
のない女の子が?CG?!)
「初めまして。」
「初めまして、京子です。」
キョーコは深々と挨拶した。
泰来は 興味なさなげにクーの所に
戻った 。
ジュリエナはクーに目配せした。
(…彼、キョーコに興味なさげだけど?)
(…ボス、勘違いかな。不味いな。)