「待っていたよ。」
蓮の言葉にキョーコは軽くショックを
受けた。
(…お見通し？)
そう、蓮は抱かれたい俳優No.1で日本中
の女性を虜にしているのだ。
キョーコの恋心などお見通しに違いな
い。
「あの…」
「大丈夫。わかっているから。」
蓮はキョーコの手を掴み、自室へと
連れていく。
ドアを開け、真っ直ぐとキングサイズの
ベッドへと向かい、キョーコを座らせた。
「さあ、始めよう。」
蓮は少し屈んでキョーコにキスした。
キスしながらゆっくりと身体を倒して
いく。
キスは濃厚になり、キョーコは頭が
ボーッとしてきた。
しかし、大好きな蓮からの夢のような
キスを受けながらも不思議と嬉しいと
感じなかった。
役の延長でまるで食事をするのと同じ
ように簡単に身を捧げてしまって本当に
いいのだろうか。
これで幸せなのだろうか…。
キョーコの目には涙が滲んだ。
「俺とキスするの嫌？」
蓮の言葉にキョーコはかぶりを降った。
「そんなことないです…。」
目を伏せるキョーコの涙を拭いながら
蓮は問いかけた。
「君は桜なの？最上さんなの？」
「え？」
蓮はキョーコを抱き起こした。
「君が桜なら今日はここで終了。最上
さんなら…朝まで離したくない。」
「/////////」
「最上さん、俺は君を愛している」
「敦賀さん…」