「最上さん、こんばんは」
蓮はドアを開けながらキョーコが来ると
分かっていればアルコールを口にすること
なく帰りに車で送ることができたのにと
悔やむ。
「突然お邪魔してすみません。敦賀さんに
無性にお逢いしたくなって。」
「いや…構わないよ。」
蓮は初めて聞くキョーコの言葉に心が
浮き立つ。
キョーコは今日の衣装のままだった。
(…私物だったのか?)
靴もお気に入りの靴ではなくピンヒール
だった。
(…二年もしたら変わるか)
「敦賀さん、上がってもいい?」
棒立ちの蓮にキョーコは声を掛ける。
「あ、ごめん。どうぞ。」
「クスッ。失礼します。」
蓮はキョーコにソファを勧め、
自分は真向かいに座ろうとしたが
キョーコに腕をつかまれた。
「並んで座って欲しいです。」
上目使いに見つめられて蓮は
固まる。
「あ…ああ///お茶をいれてくるよ。
カフェ・オレでいい?」
「私は二十歳ですよ。お酒いただき
たいな。」
キョーコはテーブルに並べられた
ブランデーやウイスキーの瓶を指差す。
「そうか。水割りでいい?」
キョーコは頷く。
蓮はものすごく薄い水割りをキョーコ
に手渡した。
「ありがとうございます。敦賀さんは何
を召し上がりますか?」
キョーコは蓮ににじり寄り、グラスを
取ろうとする。
身体が密着してキョーコの胸がぐいぐ
い押し付けられる。
蓮は身体が反応し、慌てる。
「自分でするから///気にしないで。」
蓮はそっとキョーコから離れる。
「は~い。」
俯いたキョーコの口角があがった
ことを蓮は知らない。
蓮はすっかりキョーコに翻弄されて
いた。好きな相手からの積極的なアプ
ローチに意を決した。
「最上さん…」
蓮はキョーコの髪を一掴みし、口付け
る。
「今日は泊まっていって欲しい」
リク罠&逆引きドボン作品記録<7>