「いただきます。」
「あ…はい////」
二人は向かい合わせで、夕食を食べ始め
た。
この感じ、久しぶりだなとキョーコは
思った。
前と違い、蓮への想いを自覚している
キョーコは愛しい人をみつめた。
彫刻のような美しく完璧な容姿。
尊敬する神の寵児には好きなひとがい
る。それでも愛する気持ちは止められな
い。
(…好きです…敦賀さん。)
その瞬間、キョーコは蓮と視線が合って
しまった。
蓮の強い視線にキョーコはたじろぐ。
(…あまり見つめないでください////)
キョーコは視線を反らした。
「最上さん」
「は、はいっ」
「坊は最上さん?」
「え?」
「今日はいつもの彼と違っていた。今
日の坊は最上さんの料理に似せて作って
いた。つまり、最上さんが坊だから。違
う?」
「…………………。」
「沈黙は肯定だよ?今日の坊はうちの社
長の回し者だ。最上さんが坊であること
を知り、俺が最上さんからチョコレート
を貰ったことがないことを知っていた。」
「…………………。」
「坊は俺が最上さんのことを好きなのを
知ってる。でも、最上さんは俺にたいし
て何のアクションも起こしてこない。
俺、脈なし?俺じゃダメなの?」
蓮の告白にキョーコは赤くなったり、
青くなったりした。
「敦賀さんは私のことなんか好きじゃあ
りません!好きなのはキョーコちゃんで
す!」
「うん、君だね。」
神々スマイルを浮かべる蓮。
キョーコはその時、やっと自分の犯し
た大きな間違いに気がついた。