「泊まればいいんじゃない?」
そうおっしゃった敦賀さんの顔がコーン
に見えた。
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キョーコは蓮のマンションでチョコ
レートを作っていた。
その間、蓮は下の高級スーパーに買い
出しに行ったり、お茶の準備をしたり、
かいがいしく働いていた。
「敦賀さん、お気遣いなく。もうすぐ終
わりますっ!私、帰りますから。」
キョーコは申し訳なく思いながら言っ
た。
「これから冷やすんだよね?その間に夕
食を食べようか?俺、作る?」
「いいえっ!私が作らせていただきま
す。敦賀さんはお座りください。」
キョーコは蓮をリビングに押しやった。
「なんか悪いね。最上さん、よろしく
ね。」
キョーコは不思議な気分だった。
愛しいひとにバレンタインデーを
過ぎてからチョコレートを送ることに
なった。蓮は甘いもの、特にチョコレ
ートを食べないので有名だ。
(…役得よね。敦賀さんにチョコか。
へへっ。)
思いがけない展開になったが
キョーコは幸せだった。