キョーコの真剣な表情に蓮はたまらず
大笑いした。
「あっはっは。もうだめだ。」
身体をよじりながら笑い転げる蓮に
キョーコは激怒した。
「何がおかしいんですか！敦賀さんのこ
とですよ！」
「分かった、分かった。説明するよ。」
蓮はウィッグとカラコンを外した。
呆然とするキョーコ。
「コーン？！」
「そうだよ。俺はコーン。キョーコ
ちゃん、幼い君は聞き間違えたけど、
正確にはクオン。クオン・ヒズリ。
ジュリエナは俺の母だ。」
「クオン…クオン。」
キョーコが呟き、蓮は頷く。
キョーコは首を傾げたり、頭を振った
り、顔を赤らめたり、青ざめたりして
いたが、最後に「ぎゃあああっ、私が演じ
たクオンさん？先生の息子さん？あの…私
が初キスしたのは敦賀さん////？！」
頷く蓮の胸をキョーコは叩いた。
「ひどい！敦賀さん！ずっと私を騙して
たの？何で最初に言ってくれなかった
の？コーンだよって。」
「ゴメンね。ボスとの約束だから。許し
て。」
また、蓮の得意な捨てられた子犬の
表情。
「ずるい、絶対許さない！」
「許して。キョーコちゃん、パーティの
時間だよ。一緒に行こう？」
「行かない！」
「行こうよ。キョーコをクオン・ヒズ
リとしてエスコートしたい。母さんか
らキョーコにプレゼントしてとカクテ
ルドレスも預かってるし。」
「呼び捨てダメ！着ません！」
キョーコの態度に蓮はムッとした。
「分かった。パーティにいくのは止め
よう。」
一瞬のうちに冷たい眼差しになり、
キョーコは驚く。
「敦賀さん…。」
「閉じ込めて外にださないよ。俺は
パーティなんかどうでもいいよ。
キョーコとキス以上のことしたいな
あ。」
その言葉にキョーコは目をつり上げた。
「敦賀さんがそんなこと言うはずない！
コーン、ずっと敦賀さんのフリしてたで
しよ？そうだ！ジュリエナさんと写真に
写ってたの敦賀さんのフリしたコーンで
しよ？」
「何で俺ばっかり悪者で敦賀蓮は立派な
人なんだよ。キョーコちゃん、敦賀蓮の
こと好きなの？」
「え////そうよ！悪い？お付き合いして
るし。」
蓮(=コーン)は真っ赤な顔のキョーコ
に照れる。
「ふふ。じゃあ、敦賀蓮を失望させちゃ
だめだね。パーティにいこうか？お詫び
にエスコートするからさ。」
「うん！」