「キョーコちゃんがいなくなった!」
社の言葉に皆が騒然とした。
「社、どういうことだ?説明しろ。
ルト、椹くんを呼んでくれ。」
ローリィが指示を出し始めた。
「かしこまりました。」
「やっぱり、これかなあ。」
松島はゲラ刷りを見つめる。
「どういうことですか?」
蓮は松島に訊ねる。
松島は、ばつ悪そうに蓮に答えた。
「さっき、見せちゃったんだよね。彼女
に。すごく青ざめてた。潔癖症だから不
倫か嫌だったのかな。相手が外国人って
いうのも何か凄そうだし////ね。」
「……………。」
蓮は急ぎ足でドアへと向かう。
「心当たりありますから!社さん俺が最
上さん連れて会場に向かいますね。」
蓮はタクシーをつかまえると自宅マン
ションを告げた。
ラブミー部でなくだるまやでなければ
俺のマンションしかないと蓮は考えた。
マンションの前まで来ると予想どおり
キョーコは寒空にコートも着ないで立っ
ていた。
「こんばんは。敦賀さん、来ちゃい
ました。」
キョーコは少し寂しげに微笑んだ。
「最上さん、まずは中で話をしよう!」