リビングで向かい合わせに座る二人。
蓮はチョコのラッピングを丁寧に外して
いた。
「最上さんのラッピングはいつも可愛い
ね。羊枕の時も思った。」
蓮は嬉しそうに話し、キョーコは照れた
ように微笑んだ。
「俺、ずっと待ってたよ。最上さんから
チョコをプレゼントされるのを。」
「え?」
「ゼリーは俺だけに作ってくれて特別か
なと嬉しかったけど、やはり、バレンタ
インは最上さんからの手作りチョコが欲し
いなと思ってた。夢が叶った。ありがと
う、作ってくれて。」
箱を開けながら蓮はお礼を言った。
神々スマイルを浮かべながら。
「敦賀さん、私なんかにそんな…」
キョーコは感極まって涙を溢した。
「どんなに嬉しいか表現できないな。
美味しいよ。最上さんが作ってくれたか
ら。」
蓮はチョコの一つを摘まんで食べた。
(…私こそもう、充分です。敦賀さん)
キョーコは涙を拭った。
「じゃあ、恒例のお礼をしなきゃ。」
蓮は嬉しそうに言った。
(…また、頬ちゅーですか/////)
蓮はキョーコの目の前にきて顔を
近づけた。頬ちゅーのつもりでいた
キョーコは突然の口づけに驚く。
「あの…敦賀さん///」
顔を赤らめ、口を金魚のように
パクパクしているキョーコを蓮は
抱き締めた。
「最上さん、愛してるよ!」
End