「京子さん、結婚してください。」
ランウェイで蓮が片膝を折り、ブーケ
を差し出しながら告白した。
会場は大混乱になった。泣き叫ぶ者。
拍手する者。スマホをかざす者。
そして、皆がすぐに静まった。
京子はどう答える?!
キョーコは冷静だった。確かに予感は
あった。最近の蓮はキョーコに「好き」
を連発し、スキンシップも過剰だ。
まるで好きでたまらないと感じるくらい
に。
しかし、あの敦賀蓮が最上キョーコ
ごときを相手にするわけがない。
修行だ!きっと、どんな時でも冷静な
対応をする訓練だ!
京子と言っていたし…よし!
「嬉しいです。喜んで。」
キョーコはブーケを受け取り微笑んだ。
「一生大切にするよ。」
蓮はキョーコを抱き上げ、キスをし
観客に向かって手を振った。
(…なんか、ホントっぽくて恥ずかしい
ですっ////)
キョーコは居心地悪そうに蓮のタキ
シードをつかんだ。
神々スマイルを浮かべながら、蓮は
口角を上げた。
キョーコは知らなかった。このコレク
ションが全国ネットで流れることになる
ことを。
その上、番宣は
『敦賀蓮公開プロボーズ!!』
End