放課後それは突然訪れた。
「最上キョーコさん、俺と付き合ってくだ
さい。」
告白してくれたのは見知らぬ男子だっ
た。
話を聞くと彼はキョーコと学内テスト
で常に首位争いしている「伊藤勉」くん
だった。
彼は芸能クラスにいながら、高得点を
たたき出すキョーコに興味を持っていた
とのこと。
「君なら俺と一緒に東京大学に行ける
と思う。高校3年間、大学4年間ずっと
一緒にいれて有意義だと思わないか?」
「は…あ。(…それに何の意味が)でも私
女優なので」
やんわりお断りする。
すると伊藤は鼻で笑った。
「君のこと、TVでみたことないよ。
う~ん、悪いけど君、女優は無理だと
思うよ?」
「…て、言われた。初めてコクられたの
に…この程度よ。」
キョーコは憤慨しながら奏江に報告
した。
「賢いもの同士、勉強で話が合うってこ
と?合理的考え方かも。」
奏江は意に介さない。
「その上、女優は無理と鼻で笑われたの
よぉぉ」
「でも、彼氏いないんだもん。付き合っ
てみれば。」
奏江はドアの方を見ながらしれっと
言った。
「バッターン」
ドアが勢いよく開いた。
「最上さん、その男はダメだ。」
「敦賀さん…。」
「君の魅力がまったく判ってない!」
「敦賀さん//////」
「最上さんは料理が上手いし、風邪を
引いたときもすぐ気がついてくれたし、
俺がスランプのときにお弁当を届けて
くれたり…etc.」
「……………。」
「キョーコ、伊藤くんと付き合って
みれば?」
「……………。」