キョーコの坊としての登場は終わったはず
だった。しかし、着ぐるみグランプリにぜひ
という天の声?!に押され、キョーコは
全国の皆に坊と知られながらグランプリ
出場となった。
「断れないの?ねえ、キョーコ。行かな
きゃ俺達オフで一緒なんだよ。」
蓮はキョーコを抱き締め、顔をすりよせ
る。美しい顔のどアップにキュン死寸前の
キョーコ。
「蓮さん///ダメ。そんな色仕掛けは。」
「いろじかけ?」
「もうっ、誘惑ってこと!社命だからダメ
です。」
「社命?坊が?おかしいよ。そんなに石橋
光くんと一緒にいたいの?」
蓮は顔中にキスを浴びせながら、キョー
コにすねて見せた。捨てられた子犬の
目でせまる。
「違っ///光さんと私、そんなっ!!社命
なんですっ!」
「おかしいし、危険だよ。前回だって俺が
たまたま近くでロケをしてなきゃ君、遭難
してたよ。」
「その節はすみませんでした///」
「ホントだよ!キョーコだと知っていたら
あの孔雀の着ぐるみに君をまかせず、助け
おこし、山小屋に連れて行って、濡れた服を
脱がせ、俺の身体で温めて一晩過ごしたの
に。」
「///」
「そう言えば、あの孔雀俺のこと知ってい
たような…。誰?」
「社命ですっ!!」
顔を紅潮させているキョーコに蓮はため息
をついた。孔雀はあの人か。
「あ…あ、がんばってね。」
End