私は土下座しつづけた。

   ばれてしまったら身の破滅。

   椹主任にもブリッジロックの皆さんにも

  口止めした。

    なぜかショータローと飛鷹くんはバラさ

   ないだろうと確信していた。

   けど、敦賀さんにバレてしまいましたぁ。

   数知れずの暴言、タメ口などは勿論のこと

   友人として色々話してくれた敦賀さんを

   裏切ってしまった。

   最低の着ぐるみ?!でございます。

   一生顔向けできません。切腹です!!

   「最上さん、風邪引くからシャワー浴びて

    着替えたら?」

     予想外の優しい言葉に思わず私は

   顔をあげた。

       敦賀さんは少し顔を赤らめながら微笑ん

   でいた。

      「俺のマンションで話を聞くから用意が

     できたら駐車場まで降りてきてくれ

     る?」

      「は…い。」

         

         蓮のマンション。

      キョーコは一生懸命説明した。悪気はな

  かった。いつも蓮を励ましたかったと涙な

  がらに訴えた。

    「君は勘違いしているよ。最上さん。

    坊は俺のためにいつもがんばってくれた。

   いわば恩人だ。坊のやったことに悪気は

   ない。

        しかし、坊が君だということが問題なん

   だ。」

      「??」

     「俺の好きな子はキョーコちゃん、

   君だ。俺のことどう思ってるか聞かせて

   欲しい。」

      突然の名前呼びに驚き、キョーコ

  ちゃんイコール自分に歓喜しながらも

   ふと思い出した。敦賀さんはキョーコ

 ちゃんに対して恋の予感程度、いいな程度

  なのだ。

     地獄の閻魔さまを敵に回すほど蓮を

  愛してる自分とは好きの重さが違う。

     「好きですよ///」

     キョーコは軽薄に答えたが、瞬間

   蓮がキョーコを強く抱きしめた。

      「よかった!嫌われてると思ってた!」

    蓮の喜びようにキョーコは胸が熱く

  なった。

    (…好きの重さが違っても…ま、いいか。)

    「最上さんの俺に対する気持ちは尊敬す

   る先輩程度だろうけどいいんだ。

       俺が最上さんをものすごく愛してるか

    ら。今は言えないけど、この世のすべての

 ものを天秤にかけて君を選んだ。」

   「え?私のほうが敦賀さんを好きです

   よ?」

      抗議するキョーコを蓮は笑って制止

  した。

     「いいんだ、時間をかけて俺を愛して・

    ね?」

     「はい///」

     蓮はキョーコに甘いキスを落とした。


     
     次の週のゲストは蓮に変更になり、

   『坊』の正体が明かされた。

   キョーコの『坊』としての活動は終了

   した。



    LME社長室。

   「いいじゃないか。最上くん続けさせて

  もよぉ。着ぐるみグランプリ間近なのに

 よぉ。バカ蓮め。」

      ローリィは拗ねていた。

    「蓮がどうしてもやめて欲しいというの

  で。光くんがとても気になるようで。」
 
      椹は苦笑した。

     「最上くんを手にいれたくせに相変わら

     ず小さい男だな。これで着ぐるみグラン

     プリ連覇じゃねえかよ。」

      「??」