僕は鶏。名前は坊。

   収録が終わり、控え室に戻った。

  「お帰り。」

   予想もしない客が腕組みして僕を待ってい

 た。

   「敦賀くん…どうした…んだい?」

    蓮は返事をするより先にドアに鍵を掛け

 た。

  「俺がどうしてここにきたか君は知ってる

 よね?鶏くん?いや、最上さん。」

    蓮はキョーコににじりよった。

   「まずは被り物とってもらおうかな。」

    蓮の強い口調にキョーコは急ぎ、頭の

 部分を取った。

    蓮は言ってはみたものの、汗をかいた

 姿で現れたキョーコを見てがっくり肩を

 落とした。

 「君は俺の告白聞いていたんだね。」

 「え?4歳年下のキョーコちゃん?」

 「う///」

   赤くなる蓮をよそに首を傾げるキョーコ。

  「返事を聞かせて欲しいんだけど。」

  「??」

   「聞かせて?キョーコちゃん。」

    キョーコは首を傾げていたが、「あっ」

  と短く声をあげると無言になった。

     顔がだんだん青ざめていく。

     そして。

     「申し訳ありませんでしたぁぁ。勘違い  

   してましたぁぁ。」