昨日は東京で雪が降るかもといいつつ、結局降ったのか降らなかったのか、朝になっても外の世界に何ら変わりはなかった。


でも、雪が降るかもと聞いて思い出したことがある。

あれはいつの頃だったろう?


大学生で帰省してたか、高校に通っていたかの頃の話。


雪で狭くなった一本道。

急いでもいないんだけど、そんなにゆっくりも歩きたくない。

でも、前に太った男の子がそりを引いて歩いていて、(小学校3、4年生くらいだったかな?)その子が邪魔で先に行けない。

でも、踏み固められて誘導されている道を外れて雪の中をぬかるのわかってて漕いで行くこともしたくない。

それで、ちょっとだけイライラして歩いていた。


すると、前をゆくそりを引いてた男の子が、私のイライラを感じたのかどうか、振り返る。


(あ、なんかイライラしたの伝わっちゃったかな?悪いことしたな、でも、避けてくれるのかな?)


そんな罪悪感とともに都合のいいことを想像した直後。


「乗ってく?」


思いもよらない言葉を耳にして、とてもびっくりしたのを覚えている。

そして、すぐさまそりに乗って引かれるのを想像する。

ダメだ。どう考えもこの子の力じゃ重くてそりが進まない・・・。


直前までのイライラに対して、正反対の言葉をかけられた罪悪感と、想像の中で、動かないそりへの恥ずかしさと、小学生にナンパされたような状況の気まずさとで、


「いや、いい」


なんて、全く面白味にかける言葉を発するのが精一杯だった。


今思えば、あそこでもう少し気の利いたことを言えていれば、あの少年に優しくてきれいな(?)お姉さん像のテンプレのようなものを植え付けられたかもしれない。


トラウマになってないことだけを祈りたい。