‐‐‐‐‐‐‐3Sライブ③‐‐‐‐‐‐‐

 

なんだよコレ。

ファンクラブ既にあったのか。 コール&レスポンス、もう出来てんじゃん。  

 

ヒデと顔を見合わせた。

 

(ヤレヤレ)

(もうキマリやん、コレ)

 

佐久間のギターソロも、余裕。なんならひと昔前のミュージシャンみたいに、くわえタバコが似合いそうな不埒なイメージ。こういうのに女子はキュンとするんかな。

 

三人三様、アドリブを絡めたエンディングも、バシッとキマった。

歓声の中、椎名が礼を言うと、「予習してきたー」と平野が嬉しそうに叫ぶ。アイツか、ファンクラブの参謀は。次の演者なのに、まだ客席で見んのかよ。

 

時間、結構押してるのを察してか、「カワイイ」余韻を残したまま、3Sは直ぐ二曲目を開始した。

 

♪じぶんROCK (2010)

ONE OK ROCK

 

うあー、ワンオク来たよ。椎名の声色がひずんでいる。こんなビリビリした声も出んのか、スゲェ。

 

笑顔、封印。曲の世界観と共に、全く別のバンドに変異した。キャーキャー言ってたファンたちが固唾をのんで見守る、なんだか異次元に格上なバンド。

 

結構変則的なリズムなのに、一糸乱れぬリズムセクション、畳み掛ける迫力のヴォーカル、たった三人で、この音の厚み、暑さや汗で狂いがちのギターのピッチも出場バンドで一番正確だ、聴いてて心地好い。

 

同じ路線で2曲だと、女子にしかウケないかもしれないからな、さすがアニキ、策士だ。

 

サビのキー、高!ほぼ女子のキーだ。ワンオク、恐るべし。これを選んだ椎名も。

 

この曲、途中にちょっとブレイクっぽいとこがあったはず。

キタ!

 

佐久間のギターが軽快なリズムを刻む。

一旦油断させといて、、、

溜めて、、、

三人、一気にキレる、ドラムが物凄い切れ味!

うっわ、すげー!

完全に「入った」椎名がチョッパー弾いた。

普段出さない、オトコが出てる。「漢」の方。当たり前だよな、コイツだって男なんだ。

 

 

これはもう、いいや。負けた。後夜祭で、もっかい観たい。

 

ヒデと目を合わせて頷いた。

 

(コレはしゃーない)

(それな)