‐‐‐‐‐‐‐YouTube‐‐‐‐‐‐‐
カッキーと話したくて、昼休みに美術棟に行った。渡り廊下を越えて6組に向かった所で、スマホを持って走ってくるカッキー発見。ツイてるな、今日は。
「ショー、ちょうど今行こうと思ってた。この街角ピアノ、お前だろ?」
「んっ?見して」
ちょうど池田兄さんが入ってきたところから、始まってる。
「このシャツと髪、ショーだよな」
斜め後ろからで顔は映ってないけど、知ってるヤツが見たら直ぐバレる。
「あぁ、確かに」
「なんで?デートの日に」
「青木のリクエストで」
「練習してったのか?」
「いや、その場で弾ける曲をテキトーに」
「即興?すげーな」
「すごいのはこの人だよ、いきなり入ってきて」
「初対面?」
「ウン。昭和音大のジャズ科の人。連絡先、交換した」
「昭和音大って新百合じゃん」
「そう。偶然だけど」
「フーン。ショー、こんなにピアノ弾けんのに、なんでパンクやってんの」
「それは…、好きだから。あっ、でもジャズも好きかもしんない。この時、思った」
あの、不思議な感覚。
「ショーってさ、コンビニのチャイムの音とか、マックのポテト揚がるときの音、すぐピアノで再現出来るよな」
「あぁ、まあ」
いつだか、練習室の待ち時間にふざけてやったやつ。
「絶対音感か。こんな身近にいたとは」
「耳だけはいいんだ、チビの頃から。音楽棟には結構いると思うけど」
「いねーよ。!ややや、再生回数、増えてきたぞ。昼前まで3000が、7000超えた」
「誰だよ、勝手に。このタイトルもちょっとイラつく(笑)」
「[街角ピアノin関内‐パンク少年と音大生のコラボ/夕暮れのビリー・ジョエル]、か。削除して貰う?」
「顔映ってないから、別にいい。池田さんのサックスもっかい聴けるのは有り難いし」
「そっか」
そうだよな、俺なんて通りすがりのただのパンクス。絡んで格好よくしてくれた池田さんに感謝。
![]()
にほんブログ村