‐‐‐‐‐‐‐パンケーキ‐‐‐‐‐‐‐
「どんな子だった?」
「んー、なんかこのパンケーキみたいな。素朴で、優しくて、温かい。安らぐ感じ」
「いつ食っても飽きないし、美味いよな」
「なんか、兄貴が言うとヤラシイんだよな」
「ハハッ。なんとなく、雰囲気わかるよ。イイ感じじゃん」
切り分けた大きなピースを頬張りながら、微笑んだ。
「そっか?」
「ああ、ショーに合うよ。クレープみたいに、中にゴチャゴチャ色々入ってるタイプは止めとけ」
「その例えー」
でも、言いたいことわかる。駆け引きとかテクニックとか、言葉で翻弄されるような女子は無理。なんせ、ウブだから。
「付き合うのか?」
「ウーン。…おそらく」
「何迷ってる」
「こないだも話したけど、4月からずっと好きだった子がいて」
「脈なしの?」
「まぁ、そうだけど」
クソッ。
「スイーツで言うとどんな?」
「えっ」
一瞬、絶句。カオリンを食いもんに例えるなんて…、想像したことなかった。
「~~!!💦」
「難しいか」
「…カヌレ」
「?」
「シュッとした型で、バニラの香りがして、表面はカリッとしてんだけど中はしっとり甘くて」
「スイーツ詳しいなお前」
「コンビニでそれっぽいの食べた」
カヌレもどき。ホンモノには、手が届かないで終わるのか。
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