‐‐‐‐‐‐‐帰り道①‐‐‐‐‐‐‐
ゴールドよりシルバー、暖色系より寒色系、ゴシック調より華奢なデザイン、ネックレスよりはブレスレット、か。
「なに?ニコニコして。つまんなくない?」
「いや、面白い。一人じゃこういうとこ、入り辛いし。きみしろの仲間と来たら、怪しくてつまみ出されるよ」
言うと、クスクス笑いだした。
「ショーって、不思議。小さい子がそのまま大きくなったみたいな」
「俺たちみんな、小さい子どもが大きくなって、高校生だろ」
「あー、違う。伝わらない。そうなんだけど、好奇心旺盛で、ピュアで、かわいくて」
「かわいい?」
フクザツ。
「カッコつけなくて、オトコを振りかざさないところが好き」
「振りかざすオトコって何」
「男だからそんなの関係ない、とか、掃除は女子がヤレ、とかそういうの」
「確かに、掃除は好きだけど」
「おむすびも、作れるんだよね」
「まぁ、今日初めてだけどな」
「私が、こうだったらいいな、っていうところ、みんな持ってる」
青木は俺の、良いところを発見してくれる。
正に「発見」なんだ。
俺なんか下らない、ポンコツって、地下に潜っていたから。
「前にも言ったけど、買い被りすぎだから」
「仕方ないよ」
(好きだから)
声に出さずに続ける、口元。
「…」
「そろそろ戻る?」
「もう、いいのか?」
「うん、見てるとキリがなくて、遅くなっちゃうから」
自然と手を繋ぎ、駅に続く通路を、二人歩いた。