‐‐‐‐‐‐‐青木美和‐‐‐‐‐‐‐
家に着き、部屋でギターの練習をしてたら、青木からLINEが来た。
付かず離れず、しつこくならない絶妙のタイミングで、いつも見るとクスッと笑えるLINEをくれる。
「私、ショーのファンだから」
いつかのやり取りで送ってくれた言葉が、落ち込んだとき、自己嫌悪のとき、意外なほど支えになった。
あんなかわいい子が認めてくれてるんだ、気合い入れよう、持ち直そう。自分を奮い起たせることができた。
「ショー、今ちょっと話せる?」
「どうした?いいよ」
送って直ぐ既読になり、電話が掛かってきた。
「この間、本多と他のバスケ部の男子に絡まれてケンカしたんだって?」
ケンカというか…、正確には集団リンチか。
「ああ、ちょっとモメたけど、もう何もないよ」
「もしかして、私、関係あるよね。ショーにコクったこと、本多に言っちゃったから」
「なくはないけど、青木のせいじゃない。本多がウソついて、仲間を煽ったから、本多が悪い」
「ウソって?」
「本多と青木が付き合ってて、俺がジャマしてるって話」
「ひどい!だから、部活の子から、二股とか、性悪って、陰口言われたんだ」
「そんなん言われた?ヒデェな」
「一部の本多ファンからね。仲良い子達は、色々相談してわかってくれたから大丈夫」
「よかった。本多からしつこくは、されてない?」
「ある日を境に、ピタッと止んだ。ありがとう。きっとショーのおかげ」
「俺は何も」
「ゴメンね、巻き込んで、迷惑かけちゃった。脚、そのケンカの時怪我した?」
「脚?」
ヒデにしか言ってないはずだが。
「かすかに、ビッコひいてたから」
「よくわかったな」
「わかるよ。好きだから」
「…」
赤、面。
顔が、カッと熱くなった🔥!
電話でよかった。