☆SASAMI☆

由依が、ウクレレ習ってたと言う香織ちゃん(カオリン)を見つけてくれて、どうにかバンドの形は整った。ウクレレとエレキじゃかなり違うから不安だったけど、直ぐにコードが弾けるあたり、カオリン、当たり!

1年の中でも比較的はやくメンバーの揃ったウチらは、早速部長と顧問に挨拶を済ませ、活動を開始していった。バンド名もアヤの思いつきから決定!鶏のささみが好きだからSASAMI?なんか、そういう感じの女子バンドいたよね、SHISHAMOだっけ。

何から始めたらいいのかわからなくて、皆でSHISHAMOのバンド譜買って、練習を始めた。

家での練習を頑張ってコツを掴んだウチは、シーナくんのドラム・レクチャー二回目で、

「おっ、もう基本できてるじゃん、卒業♪」

って、えー(泣)!
しまった、頑張りすぎた。

あれから朝もなかなか会えなくて、ゆっくり話すきっかけが掴めない。クラスも、ウチは音楽で、シーナくんは美術選択だから、別な建屋で普段もなかなか会えない。
うーん、どうしたら…、考え込むウチに、

「マユ、シーナくん、さっき音楽棟来てたよ」

由依が教えてくれた。

「えっ、ウソ!もう帰っちゃった?」

「なんかキョロキョロして、誰か探してたみたいだけど、すぐに帰っちゃったみたい」

誰を?まさかウチじゃないよね、違うちがう。ウチも探されたーい!

放課後の部活が、待ち遠しかった。