2024年の22冊目。
「傲慢と善良」
( 朝日新聞出版 416 ページ )
辻村 深月 著
21冊目はこちらでした↓
婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。
その居場所を探すため
西澤架は彼女の「過去」と
向き合うことになる。
生きていく痛みと苦しさ。
その先にあるはずの幸せ──。
2018年本屋大賞『かがみの孤城』の
著者が贈る圧倒的な恋愛小説。
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「傲慢と善良」
誰しもが
持ち合わせているであろう深層心理に
本書を読んで気が付かされました。
登場人物がそれぞれ
隣の誰かや家族の誰か
かつて出会った誰かのように
(はたまた自分自身)
身近に感じられて感情移入できる
とても解像度の高い作品です。
恋愛や結婚を通して
その人の人生の価値観の
根本や背景が炙り出され
年頃の娘たちを育てる母親として
ちょっと立ち止まって
考えさせられました。
昨今
多様性をうたっていますが
やはり日本においての
結婚観というのは
それほど多様化
柔軟なものではないのだろうと
本書を通じて感じます。
恋愛小説という枠を超えて
自身の価値観や
判断を問い直す
良いきっかけを与える作品でした。