意識のない入院患者さんのお母さんに、担当の看護師さんが(★改行しない)「何かしてあげたいことはありますか」(★改行しない)と★尋★ねた時、(★改行しない)「好物だったハンバーグを食べさせてあげたい」(★改行しない)という答えが返ってきたという。(★改行しない)患者さんは、チューブから栄養をとっていて飲食物の経口摂取はできず、ハンバーグの味を感じることは不可能な状態だった。

 けれど、担当の医師と看護師の方が栄養士チームに協力を呼びかけ、ハンバーグをミキサーにかけるなどしてチューブを通して流せるように工夫し、患者さんに“食べて”もらったらしい。

 ハンバーグは患者さんのお母さんの分も用意され、久しぶりに親子で食事できたそうだ。

 それから何年経っても患者さんのお母さんはいう。(★句点★改行しない)「意識が戻るか戻らないかの瀬戸際で、厳しい闘病生活だったけれど、あの食事時間を思い出すと、ふっと優しい気持ちがよぎる」。(←★句点)

 後でわかったことだが、舌で味わえない患者さんのチューブから液状にしたハンバーグを流し入れたのは、医療スタッフの方からのお母さんへの★心★からの配慮だったそうだ。

 本当に★心★に届くのは、通常の枠にとらわれない柔軟性あるケアなのかもしれない。(★改行しない)私自身の患者生活をかえりみても、柔軟な対応が何よりの助けになった経験は多い気がする。