帰り道の信号待ちで、教育実習で一緒だった先輩にばったり会った。(★改行しない)「お店の帰りですか」(★改行しない)と聞くと、「(働いていた)店を辞めて、教員採用試験受けたら受かって、4月から小学校の先生してんねん」と先輩。
 会社の営業や飲食店勤務が忙しく、ずっと受験すらできずにいたけれども、今年の2月、「どうして教員免許をとったのに別の仕事をしているのだろう。やっぱり教員として働きたい」と思い立ち、思いきって教員採用試験に★臨★んだらしい。そして、学科試験のみならず体育や音楽関係の実技試験もあるものの、見事合格。
 「ちょっと飲んできて、このまま家に帰って横になったら絶対太るし、家まで送っていくよ」といって車いすを押してくれる先輩と、談笑しながら道を歩んだ。

「先生ってことは、毎日給食を食べてるんですよねー」

「食べてるけど、それだけでは足りひんから、後でお弁当も食べてる」

「えー。こどもの頃って、給食って『多い』って感じてたけど、やっぱり大人にとっては少ないんだ」
 新天地で邁進する人の話は魅力的だし、聞いていて楽しい。車いすを押してもらったお礼を告げた後、(★改行しない)「またお話聞かせてくださいね」(★改行しない)というと、先輩と別れた。
 先輩とはさほど交流がある訳ではないものの、先輩の夢の実現が無性に★嬉★しく感じられた。
 今、私の置かれている現実は厳しいけれど、だからこそ、友人知人からの「就きたかった仕事に転職した」とか「結婚することになったよ」とかいう知らせがとても★嬉★しい。
 しばらくは周りの幸せを自分の幸せに変えて暮らしていこう。